猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を書いた

大富豪の探偵は、穴の開いたコインを指で弾いた。
「では、こうしましょう。もし犯人が自ら申し出てくれたら、この城を買い与えた上で、向こう百年の維持費を提供すると約束します。天文学的な金額ですが、私なら用意できます。有能な弁護士も紹介します。いかがですか?」
容疑者達は顔を見合わせ、全員がいった。
「私がやりました」
「困りましたね。では各自、証言し物証を提出して下さい。矛盾のない、もっとも説得力のある自供をした方が犯人ですよ」
なんでもお金で解決する、探偵なのだった。
 
 
 
 
 

こんな句をよんだ

 草々と書いた手紙で法法華経
 
草書で書くと、「草」と「鶯」って似てるね、という話をネットで読み面白かったので。

 
 「春の草五色までハ…ではなかったのです!!」
 春の草五色までハ…ではなかったのです!! | 土方歳三資料館日記 (Hijikata Toshizo Museum Blog)
 
 
 
 
 

こんな句を思いついた

 日も暮れて皿に残りし鷹の爪
 
ニンニクを砕き、新玉ねぎと新ジャガのオリーブオイル煮を作って食べた。アヒージョだけど、ジャーマンポテトみたいな料理で。皿の上でポテトをつぶしビールを飲み、お腹いっぱい。
で。
「鷹の爪」を調べたら秋の季語だった。うーん。気にしなくもいいけど。気にしなくていいなら。秋に詠みなおしてもいいな、と思った。

話は変わるが。「明ぼのやしら魚しろきこと一寸」を検索してたら。……初案は、「雪薄し白魚しろきこと一寸」だった。推敲の後に現在のものになったが、おかげで作品の季題は冬から、春のあけぼのに変ってしまった……とネットに書いてあった。

 野ざらし紀行(桑名浜辺)
 http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/basho/nozarasi/nozara21.htm
 
 

こんな話を書いた

異世界諺。「マントよりカーテン」
旅人のマントも部屋のカーテンも共に風になびくが、カーテンは遠くに行ったきり帰ってこないという事はない。そばにいる人こそ大切にせよ、という意味で使われる。船の帆よりカーテン、という地方もある。
 
異世界諺。「横顔に責任を持て」
と騎士はいわれる。盾を打ち鳴らす戦場において、ふと視界を横切る顔にこそ騎士の価値はあらわれる、という戒めらしい。赫々たる聖騎士ともなれば、頭の後ろを輝かせよ、といわれる。
 
 
 
 

再来年あたりバレンタイン男子がくるかもしれない……という想像をした。

「バレンタインデー父を励ます日となりぬ 小林すみれ」

「バレンタイン 俳句」で検索してて見つけたのだが、上の句が面白かった。詠まれた時期も背景も何も知らないのだが。娘さんがお父さんに義理のチョコをあげました、って句だろう。たぶん。
そこはかとなく可笑しい感じがしたけど。娘さんではなく、奥さんからチョコを贈られるシチエーションもありえた気がした。バレンタインという習慣など知らない、あるいは距離を置きたいって方もおられるだろうから、何も分からないのだけれど。
My Funny Valentine 的なノリでいけば、お父さんが連れ合いの方に花を贈っても、べつに良かった。
バレンタインデー、チョコを贈り女性から愛を告白する日、という習慣は広告によって広まったというのは、きっとその通りなのだろう。この場合の広告は需要に応えるようなものではなくて。欲望に着火し、新規な物語を提示していくようなものであっただろう。
で。飛躍して。来年か。再来年あたり。男性からもプレゼントするのがトレンドですよ、ってなっても変ではない。個人的には切り花を贈るのが一番良い気がするが。
 
 
「バレンタインの消えない死体途中の花 鈴木六林男」

また「増殖する俳句歳時記」を読んでいたら。「バレンタイン(ウァレンティノス)司祭が処刑された270年2月14日の記念日と、この季節に木々が芽吹き小鳥が発情することとが結合した風習といわれる」って書いてあった。
個人的に面白いな、と思ったのは「木々の芽吹き」と小鳥の発情ってところだ。「バレンタインデー」は人事だろうけど、植物や動物や天文などと同列のフラットな視点で眺めるが吉かも。って、なんとなく思った。
 
 
www.longtail.co.jp

 
 

こんな話を書いた

土魔法師の四季

春。雪が溶け始める頃。旅の土魔法師は農村に現れ、土を耕す仕事を請け負う。百歩四方の畑の土を掘り起こし、火炎のスクロールを使い焼く。土が乾いたビスケットのようになれば作業終了。土魔法師は銀貨一枚と感謝の言葉を受け取る。

夏。旅の土魔法師たちは王都のギルドに集まる。道や橋や城壁の補修。壁に張り出される依頼書は多い。支払いは間違いないのだが、鑑定師監督官は口うるさく、サインすべき書類も多い。実際の仕事より、守秘義務を課す魔道契約に使う魔力の方が多いほどで。飲む麦酒の量も増える。
 
秋。狩りの季節である。旅の土魔法師たちは地方に散り、地元の狩人たちと山に入る。土魔法師は指さされた場所に穴を穿ち、狩人が罠を完成させる。罠は十二ほど用意される。穴ひとつにつき銅貨三百が相場だが。現金が用意されいる事は少なく、狩場の見回りに付き合い、狩りで得られた現物を渡される事が多い。

冬。収穫祭の市場で物品を交換し、土魔法師たちは身軽になる。妻子のある者は我が家へ、独り身の者は故郷へと帰る。火炎のスクロールは買い忘れるなよ、と挨拶して。