猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

短い話

こんな話を書いた

桜は巨大な菌類である 猫と私は同じ空間を共にすることは出来ない。猫が私を退けるか、私が猫を排除するか。二つに一つである。夜になると我が家の庭を横切っていく野良猫の話だ。なぜ猫は落し物をしていくのだろう。毎日のようにそれを拾っていると。そんな…

こんな話を書いた

花壇防衛戦 ふかふかの土が盛られた我が花壇は古レンガ仕切られ、丸い石が並べられている。積まれたレンガは城壁で、石は城を守る衛兵のようだ。敵は野良猫。猫の奴も、ふかふかの土が大好きで。隙あらば自らの閑所にせんと闇に乗じてやってくる。正直いって…

こんな話を書いた

作家と世界の崩壊 お茶の時間にも、クマは悩んでいた。久しぶりに漫画を描こうとしたら、ペンが重かったのである。いったい何トンあるのだ、というほどに重く、とても持ち上げる事など出来なかった。一日描かないと、ペンは一グラム重くなり、二日描かないと…

こんな話を書いた

カーネーションを飾った。仏壇の引き出しから古い眼鏡が出てきた。かけてみたら鮮明に手のひらが見えた。試しに新聞を開くと、小さな文字まで読めた。陽だまりで身を屈め、しばらく文字を追い目頭を押さえた。少しだけ度が合っていないようだった。眼鏡を拭…

こんな話を書いた

ごめんなさいごめんなさい、と言って怒られた。謝らないで、と。 「ごめんなさい」 「また」 「ごめんなさい」と口にすると、その事を怒られる。私の卑屈さが指摘されるているのか。奴隷よ、立て、自らの足で、と鼓舞されているのか。 「提案がある。ごめん…

こんな話しを書いた。

労働の勝利 先日、植えたトマトに花が咲き、もう青い実を結んだ。この成果を私は勝利と呼ぶ。電撃的大勝利である。花壇の下には地下六十センチから、七十センチの縦穴を掘り軽石を詰めた。局地的にだが水捌け超良好の地なのだった。地下から出てきた土には石…

こんな話しを書いた。

穴掘り 苛々する事があって庭に穴を掘った。直径三十センチ深さ六十センチほどの穴を。垂直に穿つのはそれなりに大変だ。 深さ三十センチまでは黒土で、スイスイと掘ったが。そこからは青い粘土質の土だった。石に当たっては石を掘り出し、コンクリート・ガ…

こんな話を書いた

善意の小人さん 鉢植えのアロエの植え替えをした。アロエは好きだ。約二年、水遣りも何もしていないのに生き残っている。乾燥も栄養不足も無関心もアロエを枯らしはしない。アロエを枯らすのはアロエ自身だ。生き残ったアロエは爆発したかのように生い茂り、…

こんな話を書いた

中央食堂の絵画 中央食堂の絵画を語る学生は多い。百年前に焼失した名画で黄昏時などに目撃される、と言われているが。証言は曖昧である。壁に絵画の存在を認めはしても改めて見返すとそれはなく、そもそも何が描かれていた絵なのかも分からない。 最近、知…

こんな話を書いた

遅れてきた探偵男は言った。「なぜ事件を解決した、ちょろい俺の仕事を横取りしやがって、お前はもっと無能であるべきだったのだ」 彼は探偵だった。探偵には探偵の流儀があり、その流儀を相手に押し付ける実力もあった。腹パンチされ私はその場に蹲った。暴…

こんな話を書いた

ありがとう・勝負買い物をすませた後。店員さんに「ありがとう」ということにトライしてる。でも思うような反応は滅多に返ってこない。……はあ?……ってなる事の方が多い。店員さんも忙しいからかもしれないし。私の声が小さいからかもしれない。タイミングも…

こんな話をかいてた

同じ日付、同じ場所 入学式。桜の下で、父が立ち止まった。ふぅと息を吐くとき、父は姉の事を思い出している。私も息を吐いて、姉の事を尋ねた。姉の入学式にも、父はこの道を歩いたそうだ。姉は笑顔で、桜は満開だったそうだ。同じ日付、同じ場所。なのだが…

こんな話を書いた

春蝉 子供のころ学校からの帰り道に、蝉屋敷はあった。屋敷といっても古ぼけた二階屋があるだけで、ただ庭に欅の木が茂っており、暑くなると蝉が五月蝿いほどに鳴くから、近所の小学生はそう呼んでいたというだけなのだが。なぜだかこの蝉屋敷が私は怖かった…

こんな話を書いてた

犯人は窓硝子 春。たんぽぽの季節。浴室の窓で、蜂が死んでいた。蜂はどこから来たのか。ドアはずっと開いていた。つまり来た道を引きかせば、蜂は外に出られた。だが蜂は目の前の明るさに突進を続け、息絶えたのだろう。ずばり。犯人は窓硝子。 木蓮 また木…

こんな話かいてた

小さい忍者 Kの部屋には小人さんがいて靴を磨いてくれる、らしい。他にも、皿を洗ったり洗濯物を畳んだり原稿を書いてくれたり。こうも活発な小人さんがなぜ一度も目撃されないのか。やっと分かったよ、とKは言った。連中は黒装束。忍者なんだよ。小さな忍者…

こんな話を書いた

駅前の体育館駅前に新しい体育館が出来て、催し物をやってるよ、と言われ出かけた。駅の方から四角い建物に近づくと。自転車置き場は半地下にあって、いま降りてきた広い傾斜がとても明るくみえた。置き場はもういっぱいで守衛室の前に白線に囲まれたスペー…

こんな話を書いてた

春のチョコ 「長い季語」で調べた。「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日」(どうていせいまりあむげんざいのおんやどりのいわいび)で25音、冬の季語だそうだ。「聖胎祭」でもOKらしい。 で。 季節の挨拶のようなチョコを頂いた。 「バレンタインデー」なの…

こんな話を書いてた

本の猟師 本のゲートを潜り猟師は狩りをする。本の中で、本は胡蝶のように飛んでいる。休んでいる一冊を捕まえ、また中に入る。猟師は幾つも本を潜る。大地が霞み、足元がぐらついたなら危険な兆候だ。猟師は立ち止まり呪文を唱える。「深淵。深淵。深淵は良…

こんな話かいてた

本の階段 ぼくは魔法使いの弟子。図書室に閉じ込められた。意地悪な師いわく……いいから本を読め。脱出する術も探せ!……膨大な本の中に生き埋めされるのは気分のいいものではない。見上げると明かり窓があった。かなり高いが。ぼくは本を積み始めた。あの窓ま…

こんな話かいてた

深い緑 小路を曲がったところで視界が開け、深い緑に目をみはった。緑の奥行きに白い花が咲き乱れ、嗚呼。どう言葉にすればよいのか。もう見た方が早いと振り返ったが、君はいなかった。大声で君の名を呼び駆ける私を、怪訝そうに人が見た。緑も花も他人も。…

短いはなし推敲ちゅう

死者蘇生失敗 海の向こうから知らせが届く。死者蘇生失敗。呪術師は言っている。 「もう疲れちゃった」 沈む太陽が地平と村人の顔を赤く染めた。男の魂も無駄に終わった一日も、二度と帰らない。バナナの木の下に隠されたゆえに。 壷売り 壷売りは言った「こ…

こんな話を書いた

本の雨朝。起きて階段を降りると、窓際にKが立っていた。 Kの視線を追うように外をみると、 鳥めいた影がバサバサと降っていた。 降っていたのは本だった。 黒い本は音をたて地面に落ちるとバラバラになり、 紙片の流れとなり下水溝へと落ちていた。 本が落…

こんな話かいたぁ

夢見師 夢見師は夢を見るのが仕事で私も3人ほど雇っている。 元日の夢は特別に重要で霊感の宿る朝露をすくうごとく、夢の報告に耳を傾ける。「こ、これは」という夢は即、買取。自分の夢にする。しかし、ぱっとしない。夢見師3人では少な過ぎるのだ。貴族…

短い話、推敲ちゅう。

三つの性 玉座の前で男女がいい争っていた。 どんな表情も出すまいと王さまも頑張っていた。 どちらの味方をしても王政が危うくなりそうな タフな論戦だった。 傍のロボットが耳打ちする。「やっちまいますかい」 このロボットの示す解決法はいつも同じだ。 …

こんな話かいてた

「雪はOFF」……と書れた小説を読んだことがある。 雪は森羅に降り積もり、色も音も「OFF」にしていくと。思い出すと、なぜか心が痛い。過去形ではなく今こうして、思いおこすことが痛いのだ。焦燥に似たうずきは幼さと結び。だがそれも少しだけ。雪は降り、色…

短いはなし推敲ちゅう

森の宝くじ森の宝くじを買った。値段は芋3個。 売り子は言った。「当たりますように」 見ると尻尾が揺れている。 月が変わりまた森へ向かうと、売り場はちゃんとあって 売り子も笑顔で立っていた。ふところからクジを取り出しみせると、 売り子は大げさに驚…

こんな話かいた

握手玄関には絵が飾ってある。灰色のどこか不気味に見える拙い油絵だが、確かに伝わるものもある。つまりこの絵を描いた不器用な者がいて、彼は一風変わってるってことだ。作者は学生時代の私で、理由があってこの絵は飾られている。あれはひと月ほど前。神…

こんな話かいた

凍てつく風が吹く市場で、エガオンの仲買人達は笑顔で話す。顔に張り付いたような愛想笑いで慣れないと怖いが、そういう仕来りなのだ。厳しい世界。仲買人は家に帰ったとたん表情を失う。子供らが走り回っても、娘が恋人を連れてきても同じ。表情筋を休めて…

短いはなし・推敲ちゅう

聖夜のペペロンチーノ聖なる夜、男と女が喧嘩した。男は包丁をとると、 ニンニクとイタリアンパセリを刻み、 パスタを茹ではじめた。 ふたつの皿に盛られたペペロンチーノ。 料理は無言の2人の間で冷めていった。 男はフォークをとると、ひと口食べて涙ぐん…

こんな話をかいた

「にゃ」先生語尾に「にゃ」をつけてたら、キモがられた……という話を読んだのは先日のことだ。 いい年こいて「にゃあ」はないだろ、って意見も分かる。コスプレの猫耳とかを思い浮かべるから良くないのかも。ただ「にゃ、にゃ」言いたいだけなのかも。そうい…