猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

短い話

こんな話をかいた

詩集 古本屋に立ち寄って一冊を手にとった。軽い装丁の詩集。知らない方がよんだ詩を、読むのが好きなのだ。 幸運なことに?……その詩集は感じ良かった。なんとなくだが詩人さんが住む部屋の広がりのようなものが感じられた。間取りとかは分からないけど。机…

こんな話をかいた

「懐かしき街に溢れるゾンビかな」 帰郷してゾンビたちの群れを見た。 春のはじめ、わが街の住人は高台に移る。地下からゾンビが沸いてでるからだ。街はゾンビで溢れ、いっぱいになる。ゾンビ達は通りで、ウーウーと唸り、彼らなりのやり方で、春を祝う。互…

オンランブックつくった!

BCCKSって所でオンランブックをつくった。短いはなしをまとめた。縦組みを選んで。タイトルは「海のトランペット吹き」にした。 出来て、うれしい。へへへ。 『海のトランペット吹き』 仮成彦熊著

こんな話かいた

夢の話は面白くない、という場合も多い。テレビの話も同じ。たとえば山道を歩いていたら山桜が咲いていました。立ち止まって俳句をよみました。っていうのはいい。全然かまわない。でもそれが夢の中の話だったり、テレビに映った桜の話だったとしたら?一句…

こんな話かいた

草原で近づく2頭。象が歩む足音は、 どんふぁん、どんふぁん、と響いた。 一頭が長い鼻を伸ばし、息をふきかけると。 すました方の、長いまつ毛の先が揺れて。 大きな耳の裏でも、風がおき。 蝶がでてきました。 ><

こんな話かいた

レールの上を走っているようだった。知ってる景色を背景にして、知っている事件が起きる。そして虹。 世界の秘密は知らなくても、この次に起こることは知っているので、私は賢く振る舞うことができるのだった。よっぽどの不注意をしない限り、悲惨なことには…

こんな話かいた

「空きカン。空きカン。たくさんの空きカン。 もしも10個あったなら、10本のビールを飲んだから。 もしも11個あったなら、11本のビールを飲んだから。 仮に12個あったなら、1ダースのビールを飲んだから。 ここ一周間のできごと。 ぜんぶ、くまが飲んだ ♪ 」…

こんな話をかいた

学歴のはなし学歴の話に耳をそばだてる。聞いても分からないのに聞いてしまう。大学という所にはキャンパスという広い公園があって、背の高い講堂にはユニバーサルって異世界へのゲートが隠されている。へぇ。ぼくは中卒なのだ。学士さま、って言葉をさいき…

こんな話かいた

大きな首切り役人いまはむかし、首切り役人という職業があった。裁判で死刑!となったひとの首を大きな斧で落とす職業である。首切り役人は公職であったが、親が首切り役人だと子供も首切り役人になるのが常だった。首切りの一家は森の家に暮らし、俗世との…

こんな話かいた

アッシーくん。 アッシーくんは美脚を偏愛する。車は美脚の延長としてある。彼の目には美脚と映る車にアッシーくんは、いっぱいお金をかけた。美脚車をピカピカに磨き幸せ。なのだが。何かしら物足りなく感じるときもあった。なにが足りないのだろう?そんな…

こんな話をかいた

【くまのべる】 京都には清水寺という有名な滝があって。上流に住むインディアンは小舟に乗り、水しぶきの昇る瀑布へと突っ込んでいく。見事、滝壺より生還した者だけが戦士となり、お嫁さんをもらえるのだ。

こんな話かいた

文選工は寡黙だった。ただ黙々と活字を拾う日々。ある日、若い娘が事務員に雇われ、文選工は恋をした。娘の顔がちらついて、間違った文字を拾う。 工場の裏、枇杷の木の下で。文選工は娘に胸の内をうちあけた。娘、困惑。文選工の活字拾いは、さらにスピード…

こんな話かいた

感情は怖ろしい。笑いも。怒りも。涙も。他人の談笑も怖ろしい。知らない人でも。知ってる人でも。顔は怖ろしい。恐怖を前に。座った椅子が砦で。無能な指揮官は空ばかり見てる。 ……無口なんですね……ええ、まあ……それに全然、表情をつくらない……はぁ……ぶっち…

こんな話をかいた。

殺し屋。ミスター・パーとミスター・ナーは仲良しの二人組。最強のパーとナー。 「こんな夢を見た」という文を読み、ミスター・パーは腕組みしてこう思った。冒頭から夢オチかよ。試しにペンをとり自分でも「こんなゆめをみた」と書いてみた。なかなか気分が…

こんな話を書いた

遠足の前日。少年はボードゲームをつくった。サイコロを振りドラゴンを狩るゲームだった。一番はやく狩った者の勝ち。厚紙を切って駒をつくり、ルールブックも書いた。目を覚ますといい天気。 丘の頂上でお昼ごはん。少年は速攻でお弁当を食べて、ボードゲー…

こんな話をかいた

梅の木の下を歩いていたら、向こうから人がきて、よく知っているシルエットなのだった。鳥打ち帽をかぶり、背はひょろりとして、眼鏡をかけている。顔も知っているとおりだった。頬はカミソリで落としたようにこけ、どことなく知らんぷりしてて意地悪そうで…

こんな話かいた

交差点の角地に三角の建物が建っていた。見てると何かしら落ちつかないのだった。三角の建物が建ってから、いろいろな店舗が入った。携帯電話の営業所、ケーキ屋さん、なんかの塾、マッサージ屋さん。他にもあったと思うけど、もう覚えていない。 車の通りは…

こんな話かいた

日がな一日。穴を掘ってはまた埋め戻す、なんてことをやっていたら。これまた暇そうな人がきて尋ねた。……「何してるんですか?」……穴掘り職人は答えない。答えない方がいいのだ。暇な人は持て余した時間を使い考える。約20秒くらい。 穴掘りの練習をしてい…

こんな話をかいた

息苦しくさに目をあけると三階の部屋で。月明かりが眩しく。胸の上には猫が座っていた。払いのけようとしても体が動かない。金縛りなのだった。 でも。よくよく考えると、我が家に猫などいないし。二階屋に三階の部屋もあるはずないのだった。今度こそ目を覚…

ライオンになった夢をみた

元日。ライオンになった夢をみた。 草原でうつらうつらしていると、棒の先に紐をぶら下げた狩人がやってきて、こう話かけてきた。 「都会に行ってみない?」 狩人は腰にさげた袋から干し肉をとりだすと私によこし、都市の話をいろいろ聞かせてくれた。硬いけ…

ちょっと書きなおす 変な占いの話

道に迷い歩道橋の下で道を尋ねた。老婆は地図を描こうといい、私の手のとった。黒いマジックで運命線をなぞり、これが道、生命線をなぞり、これが川、という具合に説明してくれた。目的地は結婚線の端あたり。この町の地形と私の手相はほぼ相似であるらしか…

こんな話かいた

図書館には羊男がいる。 オペラ座の怪人みたく地下に秘密の部屋を持っていて「羊の本」を探している。羊男が「羊の本」を開くと何か良い事があるらしい。この探索は世代をこえた事業だ。現在の羊男は3代目で、実は女だ。でも羊男。司書とは仲が悪い。司書だ…

ちょっとだけ書きなおした

可哀想な娘 夕食時、母は言った。 「ご馳走、ありがとうね。でも私と二人。可哀想な子」 この口癖に慣れる事が出来ない娘のこめかみで、血管がピクピクと動いた。階段をのぼり自分の部屋へ。一日の終わりにはサボテンと話すのが彼女の日課だった。 その日あ…

ちょっと書きなおした 

クマとは呼べない 森の公園に行ったら、滑り台の所にクマが寝ていたので言ってやった。「おい、クマ、邪魔だよ」クマは返事をしなかった。美しいまでのスルーぶりだった。家に帰って猟銃をとってこようと思ったほどだが。クマはゆっくりと空を見上げ、こう言…

海のトランペット吹き

人はなぜ、海にくるのだろう。沖をいく船に挨拶をして、飽きもせず打ち寄せる波に飽きるまで、遠く水平線の彼方から吹きつけてくる風を頬に受けるため。……少なくとも、下手なトランペットを聞きにではない、って思うのだ。ぼくは静かに海を見たいだけなのだ…

カロンと剣豪

三途の川の渡し守はカロン。 カロンは船乗り、櫓をこぎ、河を渡る。河は暗く、広い。なんか変なもの、名前もないなんかも跋扈するし。なりより向う岸に運ぶ客層もよくない。 で。 カロンも、礼儀正しくしてばかりもいられない。五月蝿い客は、手にした櫓で叩…

こんな話かいた 

遠い親戚が死んで遠出をすることになった。黒い服をきて、駅に向かい、切符を買って、電車に乗り、窓の外を眺めた。電車は町を離れ、山の奥へと向かう。 トンネルを抜けると川が流れていて、可愛い鉄橋を渡った。小さな駅の前には斜面が迫っていて、家々の屋…

こんな話かいた

重すぎるのだ。ゆえに、ダイエット教室。亡霊たちのための。さぁ、身を軽くして、天にのぼれ。煙のように。インストラクターはいるが、教室にひっぱってくるのが難しい。

こんな話をかいた

この国では明かりは不吉なものだ。それで街の中央には柱が立っていて、夜がくると街を覆うように傘が開く。天に御座すやんごとなき方が明るすぎる夜景を見つけ、雷を落とさないように。 彼女とふたり。軽井沢にきて一泊して朝ごはんを食べて散歩して、少し疲…

こんな話かいた

畑の土が盛り上がってて…土竜だろう…と友達と話した。トンネルの中は普通に歩けるほどの幅と高さがあって…大きくね?…と話した。…これ出くわしたらヤバくね?…そのときはライトを目に当てよう…きっと怯んでくれるよ…土竜だし…とか言ってると突き当りで、お墓…