2009-05-10 赤 短い話 何時だってそうなのだが。すべて灰色。世界は真っ黒から真っ白のグラデーションの中にある。 苛々していたせいかもしれない。ぼくは大きなナイフをとり出すと、そのままズブリと男を刺した。二階屋の窓から誰かが見ていた。倒れた男から溢れる血の色にびびった。今、後戻りは出来ない一歩をぼくは踏み出したのだな──と思ったところで目を覚ました。ひとつ気づいたのは、ぼくの夢って白黒じゃなかったみたい。><