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猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

意味なしアリス

03年「宇宙の子供」に収録されたという谷山浩子の「意味なしアリス」を聞いてみた。歌詞はこんな感じ、

キノコのうえの芋虫は 淋しさを教える教授だった
それじゃ始めるよといいのこして 芋虫はどこかへ行ってしまった
もう二度と帰らない キノコだけ残った ♪

感じ方は聞く人それぞれだとは思うけど、ダークな歌だとぼくは思う。この歌を聞くといつも憂鬱な気分になってしまうのだ。

アリスはそこで待っていた 2時間2ヶ月2100万年
それでも芋虫は帰らない どうしていいのかわからなくなって
アリスは試しに〜キノコと寝てみた ♪

「2時間2ヶ月2100万年」とはまたずいぶん長い時間だ。たぶん問題はアリスの主観的な時間であって「2ヶ月」とも感じるような「2時間」、あるいはいっそ「2100万年」と言いたくなるような長いとき、くらいの意味かもしれないが。表記の仕方、単位の並べ方がなにかおかしくて、この証言はまるで信用ならない、という印象の方が深くなる。

それは全然 意味がないアリス 何をやってるのかわからない ♪
まるで全然 意味がないアリス 意味がないアリスがそこにいる ♪

歌詞の全部をここに引用したいくらいだけど。やっぱ上のくり返されるフレーズがキモだと思う。それは全然、意味のない物語なのだけれど、やはりかろうじて物語りの形はなしていて、そのせり上がってくるナンセンスストーリーの頂上にアリスは鎮座してるかのよう。このアリスは少しだけ「方法序説」のデカルトにも似ているじゃないかな。ぼくらはすべてのお話を吟味した上で、意味がないと宣言することも出来るが「意味がない」という主体は消せない、みたいな話?