猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

冷蔵庫あけて頬張るミニトマト

 冷蔵庫あけてほおばるミニトマト

という俳句をつくった。真夜中に目を覚まし、階段をおり、台所の暗がりのなか、冷蔵庫の扉を開くと、眩しい光の中に真っ赤なミニトマトがあった。作者はそれを頬張り、夏の匂いを嗅いだのである。……というのはまったくの出鱈目。まず、いまは夏だよな、とか思いながら、この季節の季語をぼくはネットで調べていたのだった。そうしたら、「夏」のところに、「トマト」ということばが出ていて、

 おとうとをトマト畑に忘れきし 

という句が紹介されていて、えらく気に入ってしまったのだった。ふけとしこ、という方が作った句らしい。選者の解説も良くて、しばし、ほのぼのとした気分になった。それはそれで良かったのだが、なんだか急に「トマト」という言葉でぼくも一句ひねりたいな、と思ったのだ。それから、

 バナナ持ち洗濯機の中のぞきこむ

というのも面白いと思った。こちらは、しらいししずみ、という人の句。


──清水哲男『新・増殖する俳句歳時記』 http://zouhai.com/index.html を参照