猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を考えた 「私のもっている肖像画」

私のもっている肖像画
 
一枚の肖像画を私は持っている。布に包まれ、かたく縛られており、見ることはない。所有している、ということが重要なのだ。それは彼の秘密。秘密を握られた彼は、私のもとに帰ってくる。若く、優美な彼。でも、それは見てくれだけ。醜く邪悪な真の姿は、まさに私は握っている。
天使のような彼の微笑みは、いわば水面に映った影に過ぎない。でもそれがなんだろう。たとえ薄皮一枚の問題にせよ、彼は完璧に美しいのだ。それに気位の高い彼が心にもないお世辞を云うのは、面白い。あなた、まるでマンガの登場人物のようよ、と言いたくなる。とはいえ、そのマンガの登場人物に心を奪われていることも、また確かなのだが。

 
  
※上の話はたぶん「ドリアン・グレイの肖像」のパロディ。たぶん、というのは「ドリアン・グレイの肖像」という小説をぼくは読んだことがないのだ。いつか読んだ小説の紹介文や映画のイメージをつなぎ合わせて、上の話は書いた。いずれ「ドリアン・グレイの肖像」も読まなきゃだ。