猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を考えた 「仲直り」

仲直り
   
下校時の教室でA君に呼び止められた。「お前さ、おれに悪意もってるだろ?」
あっけにとられた。はぁ、と思った。だってA君とぼくはクラスメイトである、という以外になんの共通点もなかったからだ。つるんだことなんか一度もないし、たぶん、話したこともほとんどない。けれどA君はすごく真剣な顔をして、なおも続けるのだった。
「そういうのやめようぜ、悪意からは何も産まれない、でも事実は認めなきゃ先には進めない、そうだろ?」
話がみえず、かなりぼくは悩んだ。なんと応答すればいいのか分からず、あー、とバカみたいな嗚咽をもらした。なにも云わなくていい、とA君はいった。
「いや、むしろ何も言うな。おれにも悪いところはあったのだろう。それに気づかない、おれが悪かった……のかもしれない。だが過去にばかりこだわるのは愚かだ。ここは二人とも大人になって、 仲直りしよう」
そう言ってA君は拳を突き出した。なんか拳をぶつけて、 仲直りの挨拶をしなきゃいけないらしい。これを断ったら、どうなるんだろう?とも思ったけど。A君の勢いに押されて、拳と拳をぶつけた。そのあと、肘と肘をぶけて、最後にハイタッチ。
「これで、手打ちだ。たった今から、おれたち親友な」とA君は嬉しそうにいった。
  
  
※これもハイクに投稿したもの。自分では気に入っているんだけど、なんかウケなかったみたい。がっくし。