猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を考えた 「あたたかくなーれ」

あたたかくなーれ
 
どんより曇った空の下。無彩色にひろがる街のパン屋の前に行列がのびている。人の歩みはのろく、女たちは少しだけうんざり顔。
「ああ、魔法でも使えたらね、時計の針を、こう、ぴゅぴゅとしちゃうんだけど」
「私は、それより、簡単に暖をとる呪文を唱えたいかな」
痩せた女はそれを聞き、それなら知ってるかも、と言う。まじ?とふくよかな女。
「まじですけどー、そのまえに……あなたの彼氏、A君ね、きのう図書館で見かけたよ。ここいらでは見かけない制服の女と楽しそうに話してた」
「へー。だから……」
「くり返すと、とても楽しそうだった、あなたの好きな、なんていったっけ?詩人さんの本を手にとって話も弾んでいたみたい」
「あっそ、で?」
二人の間に不穏な空気が流れ、険悪な沈黙が支配した。細い方の女は言った。
「ウソぴょ〜ん。顔、真っ赤だよ。ね、だいぶ熱くなった?」
 
 
※これも一度、ハイクに投稿したものだけど、ちょっとウケなかったようなので、ひっこめることにした。残念。
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