猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を考えた 「ハニワと椿」

ハニワと椿
 
※※県、※※市には、※※※公園というのがあって、その高台の敷地には埴輪園というのがある。その場所には大きな椿や山茶花やそれから金木犀や、あと杉やハゼとか色々な木がいっぱい茂っていて、ちょっと昼なお暗きって感じな所だ。そこにニコニコした顔の埴輪、つまり昔の古墳に埋葬されていた?土の人形のレプリカが苔に被われながら、ところ狭しと展示されている。そう広い場所ではないが、木は茂っているし緑のコケはむしているしで、木漏れ日の中に埴輪の笑顔の数々をみるのは、なかなか趣ぶかいことだった。 
それでぼくがその公園に行った日、なぜか埴輪の頭の上に赤い椿の花が置かれていた。埴輪たちはそれぞれに武人だったり、巫女だったり、踊り子だったり、ニワトリだったりするんだけど、椿の花はそんなことには頓着せず、無差別に飾られていた。たぶん地面に落ちていた椿の花を誰かが戯れに置いたのだろう。そこには悪戯以上のなんの意味もなかった、と思うのだけれど。
外国から訪れた観光客もいて、不思議そうにその様子を眺めていた。彼らは思ったのではないだろうか。これはなんの儀式でしょう?きっと信仰深い土地の人にとっては大切なことなのでしょうと。そしてその外国の方も神妙な面持ちで、椿をひとつ拾うと、埴輪の頭の上にのせていた。くすくす。
椿が咲く季節、もしあなたが※※※公園に行くことがあったなら、ぜひ見に行き確認してみてください。あれはあの時だけの出来事だったのかなぁ。