猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を考えた。「黒歴史」

黒歴史
 
私が夢のはなしをすると彼は嫌な顔をする。──「きみのみた夢だろう?」──私はタメ息をつく。「どんな些細な夢であろうと、真剣に耳を傾けてくれる彼が欲しい」──彼もタメ息をつく。「しかし、君はぼくが感想を述べると怒るじゃないか」──「それはあなたが私の立場になって、話を聞いていないから、あなたは本質的に冷たいのよ、感情移入の能力に欠陥があるじゃない?」──「はぁ、感情移入だとー、三年間、美学を学んだおれに感情移入というかね、感情移入という概念には、おおいに、大海原ほどの検討の余地がある、というのがおれの立場だ」──「なら私の立場はどんな悪夢だろうと、そんなに露骨にウンザリ顔をする男よりはマシってところよ」
あーあ、寒い朝、白い息を吐きながら、笑顔で彼をおくり出したい、と思っていただけなのにな。とりあえず、今朝みた夢には名前をつけておこう、ぼんやりした不気味な影にラベリングするのだ、いい名前はないかな……そうだ!、黒歴史という名にしよう、黒歴史は黒いマントをはおり、顔は、そう、本のよう、カパっと顔を開き、謎の文章を見せるのだ!恐怖だわ。でもこれは私だけの胸にしまって。今夜、彼とは仲直りしよう。

 
はてなのハイクに投稿した話。「黒歴史の夢」という言葉がはじめにあって、それをお題のようにして受けとって書いたのだけれど、イマイチだったみたい。ちょっと書き直したいから、こっちにうつしました。
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