猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を考えた 「午後の診察室」

午後の診察室。
 
小さなお婆さんが服をなおしている。医者も白髪で老眼鏡のレンズは厚い。診療録に書き込みを入れつつ彼は言う。──「神経痛ですね」──ちょこんと椅子に座ったお婆さんは着膨れして丸く、まるで雀のみたい。彼女は医者の簡単な言葉に納得してはいない。──「神経痛ですか」──「いつものお薬を出しておきましょう、一週間分」と医者──「それでそのう、この神経痛はいつ頃、治るでしょう?」──書類に目を落としたまま、医者はこう述べる。「さぁ、神経痛が治るのが早いか、奥さんの寿命がくるのが早いか、なんともいえませんな」──午後の日差し、いささか散らかった机のすみには、なぜか一冊の推理小説がのぞいているが。まあこれは、お婆さんにはどうでもよいこと。