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こんな話を考えた 「グローブ詩集」

グローブ詩集
 
ライトを守っていた彼もその小説を読み影響を受けた。一番の影響は、グローブ詩集の制作という形で結晶しようとしていた。やり方は簡単に思われた。油性のマジックを用意して自分のグローブにお気に入りの詩を書き写すだけだ。でも実際にやってみて分かったことだけど、これはけっこう難しいことだった。野球グローブは革製だったし、なにより文字を書きこむスペースなんて、ほとんどないのだ。彼が写そうとした詩が、2バイト言語であったこともグローブ詩集の制作をより困難なものにした。結局、彼は一篇の詩をバラバラな位置に写すだけで満足する他なかった。
そうこうするうちに、グローブ詩集出撃のときが訪れた。いつも彼はダッシュして守備位置につく。内野の喧噪から遠く離れた青空の下が好きなのだ。けれどグローブ詩集はあまり役には立たなかった。あまりに熱心に写したせいで覚えてしまい、空をみあげて読んだ方が早くなってしまったのだ。

きのうh:keyword:超短編 に書いた話。