猛烈な勢いでメモ ダッシュ

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こんな話を考えた「にーちぇさんの犯罪」

 
ある日、にーちぇさんは小高い丘に上った。ちょうどお昼どきだったけど、少しプンプンしていた。お弁当を忘れたのだ。見ると雲が階段状に並んでいて、空へと続いていた。にーちぇさんは階段を上った。雲の上は一面、白い綿雲の大地で、全方位青空で、白い髭をはやしたジイさんが寝ていた。にーちぇさんの額に浮かんでいた汗が流れ、目に入った。にーちぇさんはポケットからピストルをとりだすと、引き金をひいた。乾いた銃声は空をどこまでも拡がっていくようだった。にーちぇさんはしばし考えこみ、さらに4発、撃った。パン、パン、パン、パン。それは天上のドアを叩く、ノックのように響いた。
ふりかえると地上に降りる階段があって、丘があって、緑の森があって、小道がのびていて、村の外れの、にーちぇさんの家へと続いていた。北に面した台所の開け放されたテーブルの上には、バスケットがのっていて、中にはお弁当が入っていた。にーちぇさんは言った。
「おれのコンビーフサンド」
以上がにーちぇさんが伝える犯罪のすべてである。