こんな話を考えた 「遠距離」

遠距離でつきあっていた彼女が死んだ……らしい。なにぶん海の向こうのことなので様子がつかめない。が、ご両親に連絡をとると間違いないようだった。ポッカリ、胸に穴があいた気分だ。でもそれで、ぼくの生活が変るわけでもないわけで。
彼女からのメールはもうこないけど記録は山となって残っているから、ぼくはそれを読み返す。ぼくは記憶を新しくする。写真を見て新しい発見をする。不愉快な部分は無視する、ねじ曲げる、作り替えてしまう。なんにせよ、ぼくが一番、知っている。ぼくが彼女についての権威だ。そう思ったとき偶然に以下のような文言を目にした。
「きみ、きみ、改竄はいけないな、ともあれ、ピース、www」
これは一昨年、彼女とバナナの議論していたときのひとコマ。ふいに涙が溢れた。

　　
上は、きのう。ハイクのh:keyword:超短編に投稿した話。読み返してみて。なんか違うなぁ、という気がしたので書き換えた。