猛烈な勢いでメモ ダッシュ

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こんな話を書いた 「不幸だけど幸せ」

不幸だけど幸せ
 
今日、ラーメン屋でつけ麺食べていたらAの歌声を聞こえてきて、その甘美な響きに恍惚としてしまった。ハッとして耳を塞いだ。いけない。ぼくは彼女の歌を聞いてはいけないのだ。
 
彼女がデビューしたときから応援してた。CDも買った。ポスターも壁に貼った。ファン倶楽部にも入った。彼女はまさに歌姫、実力は充分に思われた。でもなぜか、パッしなくて、ヒット曲にも恵まれないのだった。それでか、横顔が暗く見えるときもあって、ぼくはそんな彼女を見るのが辛くて、しばらく、応援を自粛したのだった。するとどうだろう。突然ヒット曲の連発だった。すっ、凄い。歌もステージも素晴らしいけど、一番の魅力はその笑顔だ、とぼくは改めて思い直した。ぼくはまたコンサートに行くことにした。そうしたら会場で事故が起きて、そのせいでもないだろうけど人気はまた失速。またAの歌を聞くのがつらくなって、ぼくは彼女の歌を封印したのだ。すると、また急に人気が出て。ぼくもこう認めざろう得なくなったのだ。
えーっと。ぼくが彼女の歌を聞かないようにすれば、彼女はうまくいくの?ぼくは彼女にとっての疫病神?ぼくは悩んだ。悩ん末に、ぼくは彼女の笑顔を選ぶことにした。たとえ見ることは出来なくても、ときどき人づてに彼女の活躍を聞くだけで満足することにしよう。ぼくはAから遠ざかった。
 
今日はちょっと油断しちゃったけど。これからはもっと気をつけよう。だって彼女の笑顔は永遠にこの胸のうちにある。