猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話を書いた

肖像画を抱えたゾンビ達が黄昏の街を歩いて行く。折れた尖塔が横たわる広場で半分崩壊したドームで、ゾンビ達は互いの肖像画を見せあっては時にぽぉ〜となり、想像の向こうに文字通り体を重ねる。差し出した手は胸を貫き、鎖骨は鎖骨と絡み、骨盤は骨盤にめり込む。

松明も燃え尽き、僕等は暗闇に包まれた。城の地下2階。僕等の息づかいだけが木霊する。魔法使いが呪文を唱えると明るくなった。小さな明かりだが、ありがたい。しかし吝嗇家な魔法使いだ。彼は爪に火を灯していた。

女の背中を押そうとして、身をかわされた。キッと睨みつけると、女は駆けて行った。殴られなかっただけでも、ヨシとしよう。しかし惜しいい。惚れ惚れのツボさえ押せれば、こっちのものなのだが。女が俊敏なのか、こっちが鈍くさいのか。うまく押せた試しがない。

焚書主義者と市長は罵られた。文化事業関連の予算を大幅にカットしたからだ。1人の詩人が皮肉をこめ市長に贈り物をした。届いた箱には本がどっさり。町に関係する詩人達の詩集だった。市長がその一冊を開くと、こう書いてあった。「本は贈られるものではない。人が選ぶものだ」

プール掃除のバイトに行ったら中に大きなワニがいた。大丈夫、人には慣れているから、とメイドさんは言うけど冷や汗がじっと滲む。ハイ、と肩を叩かれ手渡されたのはデッキブラシと1本の棒。訝る僕に彼女は言った。「ワニが大口を開けて迫ってきたらこれを、つっぱり棒にしてね」