猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話をかいた

とある月の晩。酔ったKを部屋まで、おぶって運ぶことになった。火照った頬に風も吹き私はいい心持ちなのに、背中のKがブツクサ五月蝿い。猫が横切り、私は立ち止まった。またKが何か言う。「えー、何だってぇ」と聞いたら、こう怒鳴られた。「酔っぱらいは嫌いだ!」

「ドアを開けてくれる王子さまって素敵よね」と言ったら率先して開けてくれるようになった甥。愛い奴じゃ、と思っていたのもつかの間、変な知恵がついてきてドアの前に立つと、こう云い出した。「合言葉をいえ」…「ポンポン12」…甥は満足そうに頷く。未だに意味が分からない。

後輩に古い写真を見せていた。過ぎ去りし我が幼年期、今はもうないビワの木の前で私はシェーというポーズをつくり、満面の笑みをこぼしている。後輩は言った。「ヘー、面白いですね、このポーズ。同じポーズをしてる父の写真を見た事がありますよ」……あっそ。

人は誰しもそれぞれの恐怖と暮らしている。あるいは、そうした傾向のようなものがある、と思う。私についていえば高い所は怖いが、低所は怖くない。閉所恐怖症は理解できるが、広場恐怖症は分からない。同様に。右側恐怖症は分かるが左側恐怖症とかは、さっぱりだ。

「女にもふたつのタイプがあるのではないかと思う。髪をショートにすると何かあったの?と尋ねてもらえるタイプと。とくに質問もされないタイプである」と彼女は言い……ああ、髪きったんだ……とやっと僕も気づいた。