猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話をかいた

ソファーで彼女が横になっていた。隣に座ると目を覚ました。そして「ここは家だっけ?」と聞くのだった。寝ぼけてるらしい。どこだと思った?と聞いたら「船」と彼女は答えた。大きな船?と聞いたら「うん」と頷いた。その船には僕もいたかな?と尋ねたら…目をそらした。

猫は愛らしい。だが園芸をしている者にとっては時に敵となる。我が家の近所にもそんな猫がいる。奴は素早い上に凄いお節介だ。鉢植えを見ると、これじゃ土が少ないと思うのか。丁寧に道の砂を集めて入れていくのだ。これはウォータースペースだ、と言っても奴は理解してくれない。

姉が私を呼ぶ。子供の頃の名で。私はうんざりする。いい大人なのだから「○○ちゃん」はやめて、と思うのだった。だから姉のお葬式が終わった時は少し清々した気持ちにもなった。畑に出てのびをした。「○○ちゃん」と呼ばれた気がして振り返った。無論それは風だった。涙でた。

「相撲で決着をつけよう」が金太郎の口癖だった。この天狗野郎に蛙が挑戦状を叩きつけた。雨蛙たちが合唱を開始すると土俵に風が吹き暗雲が起こった。雷が鳴って金太郎は土俵から逃げたが、蛙はへっちゃらだった。蛙は不敵な笑みをこぼし、こう言った。「俺にはヘソはないからな」

魔法使いは温厚な方だった。薬草を煎じたりカードを並べつつ恋愛相談にのったり、ささやかなな魔法に幸福を見つけるような……ある時、師匠の話になって彼女の空気が一変した。「良いですか。呪が最も効くのは師が弟子に対して呪を施す時です。なのに、あの糞ったれときたらさ!……

僕は内気なカメラマン。愛すべき被写体をより美しく撮りたい、と思ってる。「写真はモデルを解放する、より自由にする事でその秘めたる美を最大限に引き出すのだ」とは師の言葉だ。…いいね…その仕草も…愁いを帯びた瞳…もう少し顔を傾けて…と言いつつ今日も猫くんを撮っている。

彼は無口なカメラマン。全然、喋らない。かわりにシャッターをきるのが彼の流儀だ。「暑いね」と言っても…カシャ。「ビール飲もうか」と言っても…カシャ。「枝豆うめー」と言っても…カシャ。「結婚するって本当?」と聞いたら…カシャカシャだった。これは否定の合図らしい。

朝顔に水やりをしていたら声をかけられ、振り返ると水餃子が立っていた。「よいお宅ですね。築12年ってところでしょうか?」…絶句していると水餃子は独り頷き続けるのだった。「この木も立派だ。しかし落ち葉がね。樋のお掃除も大変でしょう」
結局。外装の営業らしかった。やっと理性を立て直し僕は答えた…「そういう話は大家さんの方へ」