猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話を書いた

森の宝くじを買った。値段は薩摩芋3個。売り子さんは「当たるといいですね」と言った。見ると尻尾が揺れていた。月が変わりまた森へ向かうと、ちゃんと宝くじ売り場はあって、僕はクジを見せてみた。すると売り子は大げさに驚き、鐘をならして「一等賞!一等賞!一等賞!」と叫んだ。
「3億円ですか」と僕は尋ねた。「3億円です!」と売り子さんは答えた。3億円は売り場の後ろに用意されていた。すごい量の札束だ。僕は家から一輪車をもってきて、その3億円を運ぶ事にした。30回くらいは往復したのではないか、と思う。
そうして3億円を運び終え、売り子さんの手を僕は握った。「ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます」100回くらいは言った。売り子さんは満足そうだった。尻尾も揺れていたし。
僕は家に帰り今日の汗を流そうとお風呂に入り湯船の中で思った。「さぁて、明日は3億円を重ねて、腐葉土を作りを始めなきゃだな」

「この本は訳は酷いね」とKが言う。「そうなの?僕は面白く読んだけど、そんなに酷いの?」と尋ねると。「酷い酷い、この惨状は訳者の知性を疑うに足るものだ」って鼻息も荒い。「へー、原文を読むとやっぱ違うのかなぁ」と言ったら、Kも読んでいないと威張っている。
僕は頭をかき「原文を読まずに訳の善し悪しは分かるものなの?」とさらに尋ねた。するとKは鼻の穴を膨らませ、こう答えるのだった。「分かる、分かる、俺には分かるのだ。ポスターを見れば、映画など見なくても、内容の大方は分かる、それと同じだ」
……僕は30秒ほど考え、悩むまいと決めた。Kはいい奴だ。友達だし。

草原は土砂降りだった。まさに滝のような雨。地上に叩きつけられる雨粒の音があたりを支配し、何も聞こえない。……夜中に雨は上がると、今度は虫が鳴きはじめた。その声は草原一面に広がり、今度は満天の星空へと昇るのだった。