猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話をかいた

  • 裏窓を開くと墓地で、その向こうに見える高い煙突は火葬場だった。私は気にしないが。烏がうるさいのだけは、我慢がならなかった。目を覚まして静か。窓の外にはマンションが立っていて。そうだ。墓地も火葬場もとうの昔に移転したのだ……と思い出した。幽霊みたいな墓地の記憶。
  • ショッピングセンターの広い駐車場の歩道の脇の所は、ずっと芝生が貼られていたが。最近は手入れもとどこりがちで、雑草が目立つようになっていた。それを見て姪がひと言。「兎さんをいっぱい連れてくればいいと思うんだよ」同じ事を思っていた。兎じゃなくて1頭の牛だったけど。
  • 毎日、歩く通り道に廃ビルがあって。僅かな隙間から雑草が茂りはじめていた。その中から、蔓植物も顔を出した。彼はクライマー。ぐいぐい壁をよじ上り、ひと夏で3階建てのビルのを制覇した。見上げる先は眩しい。屋上の上の方はどんな眺めなんだろう、って思った。
  • 地声の大きな客がきて、うんざりなのだった。こんな時、なんと言えば良いのか。自分でも思いがけず「ぶぶ漬け」と呟いてしまった。「あらま、京都の方だったんですか?」と尋ねられた。私は首を横にふったが。それから小一時間、ぶぶ漬け談義を聞かされた。
  • 夜空を叩く花火の音がした。眼鏡を外し目頭を押さえつつ、私も外に出てみた。すると白いっぽい服のアベックが立っていて、びっくり。「失礼」と言い、また私は部屋に入った。台所で水を飲み思う。……でも、家のベランダだよね。それにここ7階だし……
  • ある種の狂気……むかし本で読んだことだけど……自称、狼男の男は雪景色の中でも素っ裸になって、凍てつく川をじゃぶじゃぶ泳ぎ、月むかって吠えて平気だったらしい。村人たちは大層、恐れ男を捕まえると。男、曰く。……「俺は狼男だ。ただ毛が内側に向かって生えているだけだ」……と述べたとか。……僕はこれで読んでよく分からないと思った。体の内側に向かってはえる毛、ってなんだ?と不思議に思った。本の続きを読むと。村人たちも同じ疑問にとらわれたらしく、そんなに言うならおまえを引き裂いて確かめてみよう、とか言い。それをやってのけたらしいのだった。……!……狼男より村人の方が怖い……と思った瞬間。