猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話をかいた

  • 蝉屋敷と呼ばれる家があった。そのあたりの林だけ、蝉の声が凄いのだ。でも。探せど蝉の姿はあまりみかけなかった。ぼくらは蝉の亡霊だよ、って噂した。なんの因果かは知らない。
  • 友人はひたすらに自画像を描いていた。モデルを雇う金もなけば、友達も少なかったからだが。見る者をして、くらーい気持ちにさせる絵だった。技巧はともかく。赤裸裸で。描写は容赦がない…ものに見えた。だがそれも僕の感想に過ぎなかった。友人はこう述べた。「俺って男前だな」
  • 夏。てくてく歩いて墓参りに行ったら、死んだ爺さんに会った。爺さんは木陰で囲碁を打っていた。いろいろ不思議。一人だったように見えたけど、見る人が見れば相手がいたのかな。……てゆうか。あの碁盤も幽霊?
  • 人と会うのも避け、ひとり静かにしていたら。なんだか小さくなってしまった。ちょうどいいので冷蔵庫の中に、氷の家を建てて暮らそうかな。……もっと小さくなれたら、PCの中でも暮らせそうな気がする。……なんか意味が違う?……小さな頭で考えたことだからね。
  • 織女はその名のとおり機織りをしていたのだった。牽牛は牛を飼っていた。それぞれの労働がため2人は分けられたのだった。そして年に1度だけ。2人はまた出会うのだった。誰に見られずとも。遠距離恋愛者の星。男と女と牛。
  • 朝。彼女は窓を全開にした。床の上にも風が吹き、素足が気持ち良かった。ゴミの収集日だったので、ゴミ箱のゴミを集めようと方向を転換し、さっと歩きはじめた。その2歩目か3歩目。何かを踏みつけた。えっ、思い振り返ると。Gが死んでいた。彼女の顔に暗い影がさした。
  • 今日、テレビを買いに行き店員さんに声をかけた。これください、て言う一歩手前での確認、儀式くらいのつもりで。色々きいた。でも店員さんは、なんというか。ふつうだった。安くなったとはいえ、私的には大きな買い物だったから。もう少し高揚するものがあってもいいような気も……
  • 午にはまだ間のある午前11時。小腹がすいた。鞄を開けたら、カレーパンが入っていて喜んで食べた。しかし。このカレーパンは何時、買って鞄の中に入れたものやら。とんと覚えがないのだった。
  • 鞄を開けたら、またカレーパンが入っていた。何時ここに入れられたものやら幾ら考えても思い出せない。知らない誰か小人さんの仕業か。でもこの不思議は他人とは共有できない。物忘れでしょう?と云われるのがオチだろうから。そうではない……と思うのだが。まあ、食うけどね。