猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話をかいた

  • 冷蔵庫から、雪だるまを取り出した。冬につくって保存していたものだった。ベランダの手すりに置いて、写真をパチリ。どうですか?これが夏です。真夏の日差しを浴びて、雪だるまはすぐに溶け出した。聞こえるのは、夏を賛美するオペラ。
  • 「大声は嫌いだ!」何度、そう怒鳴ったか分からない。でも友人の地声は変わらず、ぼくはぐったりしてる。たぶん、ぼくの方が繊細すぎ、かつ小声すぎるのだ。それで「キライだ!」という叫びも、友人には届いてはいないのだろう。しかし、うるさい。そして、喉が痛い。
  • 超美人の霊が私に降りてきた。回りの人々はひれ伏し、私はいい気分。当たり前だ、と思うのだった。高い鼻、高々してたら。突然、ひとりが立ち上がり「天誅ぅ」と叫び、私は刺されてしまった。あらまっ。超美人っていうかー、傾国のお妃さまの霊だったみたい。
  • この時期になると蝉に起こされる。日がのぼるが早いか、その声が響くのだ。「お早よう。お早よう」寝ぼけ眼で網戸を開けると、蝉は入ってくる。蝉は床の上で正座して、改めて「お早うございます」と頭を下げる。私も正座して挨拶を返す。蝉は出て行く。私はまた寝る。
  • 母と墓参りに行った。最近、できた墓地で何もかもが真新しく、整然としている。少し離れた場所に黒い服を着た人々がいて、お坊さんが読経をあげていた。見るとはなしに見ていると、読経のテンションが上がってきて、きぇぇーという気合いと同時にお坊さんが空へと飛び上がった。……吸い込まれるようにして青空に飛んでいったお坊さんに、ぼくは驚いたが、黒い服の人々は静か。青いマットを広げ、その端をみんなで持ちあげはじめた。3分くらいたったろうか。しばらくして、何かが落ちてきた。落ちてきたのはやっぱり坊さんで、マットの上で三度ほと跳ねて、静止した。……お坊さんは、おっほん、と咳払いをして、しずしずとその場を後にした。マットをたたみ、その後を追う黒い服の人々。母を見上げると少し肩をすくめ、「いろいろな宗派があるもねぇ」と言われた。