2012-02-11 こんな話をかいた 短い話 「ふと思ったのだが。ミイラ取りがミイラになる事はあっても、ミイラがミイラ取りになる事はない。これは不可逆的だと思う」……遺跡の暗がりで。そんな軽口を叩いてみたら。地元のガイドが振り返りつつ「はたしてそうでしょうか?」と笑った。 ヤツは少し腐っている。ぼくもだが。ときに意味もなく苛立ち、互いの腸を抉りあったりもするけど。墓石の上に並んで腰かけ、月を見上げるときもある。こういうの、腐れ縁っていうのかな。ぼくらはゾンビ。 修行僧は眠らない。書も惰眠のためにあるのではない。修行の書はトゲトゲしている。持つと痛い。