猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話かいた

  • 玄関も開け放し、寝転んでアイスを頬張っていたら。知らない人が入ってきた。人というか。人型の何かというべきかもしれない。言葉も通じないし。人型の手をひき交番に連れていくと。警官はぼくの尋問を始めた。詳しい調書もとられた。遺失物のお知らせがあるかもしれないって。
  • 空き地で枯れたススキが揺れていた。ビルの谷間だが月めいた街灯に照らされ、ここだけ季節を間違ったかのようだ。そこに一匹の黒猫が、とことことやってきて。ススキは、ふっと消えた。猫が横切るのはアスファルトの駐車場。枯れ尾花の幽霊を見たみたい。
  • 恐ろしい雨だった。天上の水瓶がひっくり返ったような豪雨。電車に乗ってひと息。でも局地的な雨だったようで、ひと駅すぎると眩しく晴れていた。見落として残念。雨と晴れの境目を通り過ぎたはずなのにな。
  • 私の手をとり「美しい」と彼は言った。働きもので、真面目で、生きることに真剣な手だと。なんだか、ため息。馬鈴薯を喰ってる百姓にでもなった気分だ。とりあえず、お前に褒められても全然うれしくねーから、という事は言っておいた。
  • 炎天下。日傘をさして歩道を渡ろうとしたら、黒っぽいものが入ってきた。黒っぽいものはスカートの裾をひっぱり、急げという仕草をした。せかされるままに歩道を渡り終えると、黒っぽいものは手をふりビルの影へと移っていった。日差しが苦手なヤツだったのだろう。たぶん。
  • 紫陽花が咲いた。雨にうたれる淡い色が儚げにも見え僕は軽く会釈した。雨が続き花はしっかりした形に。青は鮮明になり紫陽花はお喋りになった。それから微妙な赤が混ざり紫の時代が訪れた。べつに貴方のための色じゃありませんから、とのこと。花言葉はツンデレ、と思っておこう。