猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話をかいた

  • ドッペルゲンガーは歩く。すたすた歩く。それがドッペルゲンガーが性質なのだ。並んで座ったり、顔をつきあわせてお喋りしたり、目を覚ましたら横に寝てた、とかいうのは正しいドッペルゲンガーの在り方じゃない。断じて、ぼくはそう思う。なんだよ、その殺意満々の目は!」
  • 縁側で目が覚めたのは夕方だったが。まだ青空で、夢の続きにいるようだった。何かを思い出そうとしていると猫が庭を横切り、誘われるようにぼくも庭に降りたが。行ってしまった猫は初めから存在しなかったも同じようで。でも猫の航跡を追うように歩くのが、少し変な感じ。
  • 硝子窓のそばでハエが死んでいた。明るさに向かって何度も突進を繰り返し、死んだのだろう。出口がなかった訳じゃない。ハエは自分でこの部屋に入ってきたのだから。来た道を帰れれば。ほんの小さな違いで別の結果もあり得た。でもこのハエにとって、この部屋は死の迷宮だった。
  • 殺風景な部屋の窓枠に、彼女がサボテンを置いていった。理由は知らない。まるで置物のようだ、とぼくは思った。でもある日、ふと気づくとサボテンは枯れていた。いつ枯れたのかも知らない。その夜、砂漠の夢をみた。
  • ぼくは手袋をとり、男の胸へ投げつけた。「決闘だ」 男も手袋をとると、ぼくに投げ返した。「決闘だ」 ぼくはさらに手袋をとり、男に投げ続けた。男も手袋とり、ぼくに投げ続けた。ぼくは負けぬ。手袋は無限にある。
  • 「線香花火はひとの命に似て淋しい、パチパチと元気よく火花を散らしたかと思えば、火の玉となって膨らみ、やがて縮み、ポトリと落ちれば、闇だ」そう云うぼくに姉は答えた。「そうかもね、我が弟よ、だが夏休みの友は、ちゃんとやれよ」
  • ガラス窓にぶつかった小鳥。捕まえて、頭を撫でてやった。手の中の小さな震えは。ぎゅっとしたら、止まるだろう。きっと。それはまったくぼく次第で、なんだか急に怖いような気がした。手を開くと小鳥は飛び立ち。空に深さに、ひと息ついた。ふぅ。助かった。