猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

こんな話かいた

受話器をとると「もしもしAさんのお宅ですか?」と言われた。私はAではなかったので、「いいえ、違います」と答えた。でも相手は気にしなかった。「ああ、そうですか。まあ、いいです。壁の塗り替えのご案内で電話しました」 なんて大らかなヤツ!
 
 

夜道でひとりの女が泣いていた。「どうされたのですか?」と、くまは尋ねた。ふりむくと女の顔には目も口も鼻もない。くまは驚き、「のっぺらぼう」と叫んで逃げ出した。女は追いかけてきた。袋小路に追い詰められ、くまは闇雲に「ごめんなさい、ごめんなさい」を繰り返した。女は顔を突き出し、その中ほどを指さした。おそるおそる見ると、そこにはつぶらな瞳があった。「なるほど。のっぺらぼうではなくて、一つ目さんでいらっしゃった」くまはまた「ごめんなさい」を繰り返した。