2014-10-01 カロンと剣豪 短い話 三途の川の渡し守はカロン。 カロンは船乗り、櫓をこぎ、河を渡る。河は暗く、広い。なんか変なもの、名前もないなんかも跋扈するし。なりより向う岸に運ぶ客層もよくない。 で。 カロンも、礼儀正しくしてばかりもいられない。五月蝿い客は、手にした櫓で叩く。ゴツン。亡者の頭はかたい。 あるとき、カロンのゴツンを真剣白羽どりする猛者がいて。怒ったカロンは、滅多打ちにしてしまった。 猛者の名は宮本武蔵。カロンの滅多打ちで目を覚まし、同時に新しい剣法が閃いた。こうして武蔵は遅れながらも、巌流島に向かったのだった。