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猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

ちょっとだけ書きなおした

可哀想な娘

夕食時、母は言った。
「ご馳走、ありがとうね。でも私と二人。可哀想な子」
この口癖に慣れる事が出来ない娘のこめかみで、血管がピクピクと動いた。階段をのぼり自分の部屋へ。

一日の終わりにはサボテンと話すのが彼女の日課だった。
その日あったことを彼女は話す。出勤途中であったバカのことや、職場であったバカのことや、食事のときにあったバカのことや、その他、諸々の場所で出会ったバカのことを。サボテンは辛抱強い。歪な形にはなったが。

その夜、娘は夢をみた。
金魚鉢にのり夏の夜空へと降りる夢だ。星の影から巨大な魚たちがよってきて、彼女を観察するとこう言った。
「狭い場所に閉じ込められて、なんて可哀想な子。でもきっと。閉じられた場所にいることも分かってないのね」
彼女は思った。嫌味な魚たち。そして。すっごい余計なお世話!