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猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

年寄りは春を数える

「元日や手を洗ひをる夕ごころ」(芥川龍之介

名句です、って紹介されていた。この「夕ごころ」はたんに夕方ですね、みたいなことで。「元日」なのに特別なこともなく、365日の中の1日の夕暮れとして、フラットに捉えている感性が新しい……って、たまたま見たページには書いてあった。
ぼくは分かる気がする。でもお若い方からすると、どうなのだろう。だって。いまは元旦でもお店は開いてるし、ファミレスも、コンビニも、大晦日、元旦、関係なしだし。この句が詠まれたときにはあった新しさみたいのは、伝わりにくくなってるかも、とも思った。

数えの場合。お正月にみんな一斉に、ひとつ歳をとっていた。むかしの元旦は、みんなのお誕生日会みたいなものでもあったかもね、って話を読んだのだった。へー、と思った。そういえば旧暦の場合、「新春」は文字通りっていうか、暦どおり、「春」だったことだろう。春がきてまたひとつ、年をとりました、という実感はより素朴なことだったかもしれない。