短いはなし推敲ちゅう

死者蘇生失敗　
海の向こうから知らせが届く。死者蘇生失敗。呪術師は言っている。
「もう疲れちゃった」
沈む太陽が地平と村人の顔を赤く染めた。男の魂も無駄に終わった一日も、二度と帰らない。バナナの木の下に隠されたゆえに。
　
　
壷売り
壷売りは言った「この壷は本物です」
客は迷っていた「うーん」
壷売りは貧乏揺すりを始めた「災難が訪れますよ。それもすぐに」
「しかし、うーん」
まだ迷っている客の頭部に、壷売りは振り上げた壷を振り下ろした
「本物なのにぃ！」
「それにこんなに丈夫」
　
菌類桜
桜はああ見えてキノコの仲間、菌類なのだった。有機物素材を直接、栄養にする。役所には特別な部署があって毎年、屍体を埋めている。年が明けの寒い時期の仕事らしい。
　
油断してたら
ペットボトルの中にカヤックが飛び込んできた。選手の豪快なパドリング。