猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を書いた

ありがとう・勝負

買い物をすませた後。店員さんに「ありがとう」ということにトライしてる。でも思うような反応は滅多に返ってこない。……はあ?……ってなる事の方が多い。店員さんも忙しいからかもしれないし。私の声が小さいからかもしれない。タイミングもあるのかも。お釣りとレシートを受け取り、店員さんに顔を見て。「ありがとう」と。ごく自然に明瞭な声でいうのが望ましいだろう。その「自然に」というのが、もの凄く難しい。
存在感も大事だ。存在感とは存在が示す圧のことでしょう?声が大きいとか。陽気であるとか。眼光が鋭いとか。背が高いとか。高級な服を着てるとか。そんなこと。なんか影のうすーいひとが、か細い声で。「ありがとう」と述べても。……はあ?……ってなっても仕方ない気がするのだ。
清算をすませ、コンビニのレジのお兄ちゃんに「ありがとう」って言って、また無視されてしまった。レシートを一瞥した後、相手の目を見て。一拍おき。笑顔で明朗に「ありがとう」と言えば勝つるはず。
 
  
  
天使の落としもの

痛みに目覚めると屋根はなく、飛び去っていく天使の足の裏が見え、この胸には矢が刺さっていた。曙を見上げ迷惑な落とし物を抱いたまま階段を降りて曲がった廊下の突き当たりは物置と化した暗がりで、僅かに開いたカーテンの隙間から差す光芒がつくるガラクタの影が早速、幻の女を語りだす。
到着した台所で火をつけると鍋の上には雲が浮かび、水屋の硝子も曇るのだった。