こんな句をよんだ
朝。電信柱のそばで、立ち話をしていたら、鴉が鳴いた。そうしたら「嫌な声」って近所の方が言ったのだった。まるでホラー映画、不吉な屋敷を前にしたシーンの台詞のようで。おお、って思った。
嫌な声と言われてしまう冬鴉
小山の上の公園に行った。駐車所に立派なトイレがあって、その隣に柿の木があって、熟した実がアスファルトの上に落ちていていた。なんとなく渋柿だな、って思った。
渋柿の上でないてた鴉かな
ぷんぷんすることがあって、洋梨をいっこ皮も剥かずに食べた。うまかった。
腹たてて一口ぺろりラ・フランス
台風が通り過ぎた朝。早起きしたら、木の枝や葉っぱやその他いろいろなゴミが、家の角のところで重なっていた。ここで風がまいてのだろうな、って思った。袋につめて腰が痛くなった。
夜あけて野分集めし木の葉っぱ
秋の宵。蚊の羽音をした。今年は暑すぎたせいか、蚊も少なかったかな、って少しだけ淋しいような気もした。でも、かまれるのは、やっぱイヤだった。
秋の蚊や感傷ぱちんと手を叩く
朝ごはんを食べていたら、花火の音がした。どこかで行われる運動会か、安売りのお知らせだと思うのだが。なんだろうなあ、ってしばらく考えた。
青空に幽霊浮かべ昼花火