猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を書いた

ぼくはポエマー。彼女への恋文がデビュー作となった。勇気を出して手渡した手紙が、彼女の手によって公開されたのだ。残酷な女よ。ひゅー、ひゅー、と囃し立てる級友たち。壁に貼り出されていた便箋を取り戻し、その場で音読してみた。声はひきつり、たどたどしい朗読だったが。まばらな拍手はいただいた。演劇部に入ろうかな、って思った。
 
我輩が描く絵は、ほぼ無視された。淋しい。Kに相談すると嫌な顔をした。では、見せてみろ、というので。最近、描いた猫を見せた。Kは、良い絵だね、と言った。構図も色もいい、技術はないがいい顔をしてると思うぞ、云々。聞いているうちに、だんだん居心地が悪くなってきて、それは君なりの世辞かね、と尋ねた。Kは、いきなり立ち上がると部屋を出ていった。さっぱり分からぬ。
 
俺は健康ガンマン。早撃の練習もするけど、適度な運動と食事、睡眠に気をつけている。決闘の前に我々は酒場で一杯やる。相手はウィスキーで、俺はミルクを飲む。勝ち負けより健康だからな、って言ってやる。笑った方が負ける。飲酒によってコイン三回転分くらい反応は鈍るのだ。
 
蔵をごそごそしていたら、勲章と一緒に一振りの短剣が出てきた。こいつは凄いやと思い、日にかざして見た。ちょうど口寄せの婆さんがきていたので、亡き父を呼び出し、短剣の由来を尋ねた。父は短剣を手にとると、まだこんなものがあったのか、と言った。それから僕の胸をひと突き、するふりをした。怖かった。「短剣は面白いか、持って歩きたかろう、そしていずれは人の胸に突きたてるのだ、阿呆が」
話したくないのだな、と思った。
 
ぼくらは扉の前にいた。
「この向こうには途轍もないものが隠されている」ってやつが言った。
「おう!」眩い財宝の山か、古の王の白骨死体か、世界の秘密か、お昼寝中のドラゴンか。あるいは青い深淵への落下か、幼年期終了のお知らせか。ともかく、びっくりすることは間違いなし。
 
偶然たおれた花瓶によって捕獲された小人さんの弁。
「だから、おれは天使なの、翼もあるよ、ただまだ小さいから、それに透明だし、羽ばたいて飛んでも、君の目には見えないかもね」

鵺の鳴く霧深き河のほとりに死人の街はあり、住人はよく腹を割り呻いた。魂は肝に宿る、とされており「キモ」といえば、腹の底よりってことだった。キモと呻けば、キモと呻き返して、乾いた内臓を抉りあいっこするなどは仲良しの証拠であった。
 
十五夜
校門を乗り越えると校庭は赤く染まっていた。彼岸花だった。「噂どおり」とKは言った。
「学校が昔、お墓だった頃。こんな眺めがあったに違いない。花の幽霊だね」
それから、ぼくらは一句詠んだ。なぜって、この冒険は俳句部の活動なのだ。