猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

2012-07-21から1日間の記事一覧

こんな話をかいた

自慢ではないが、私の持つ器は小さい。ちょっとした傾きで器の水は波打ち、零さないようにするために。モーションは大きく、大袈裟なものになる。私は。なんで、水なんか運んでいるんだろう。 喧嘩をして夜が明けた。なんだか疲れた私は、お日様に向かって手…

こんな話かいた

玄関も開け放し、寝転んでアイスを頬張っていたら。知らない人が入ってきた。人というか。人型の何かというべきかもしれない。言葉も通じないし。人型の手をひき交番に連れていくと。警官はぼくの尋問を始めた。詳しい調書もとられた。遺失物のお知らせがあ…

こんな話をかいた

「ドッペルゲンガーは歩く。すたすた歩く。それがドッペルゲンガーが性質なのだ。並んで座ったり、顔をつきあわせてお喋りしたり、目を覚ましたら横に寝てた、とかいうのは正しいドッペルゲンガーの在り方じゃない。断じて、ぼくはそう思う。なんだよ、その…

こんな句をよんだ 七の月海に背を向けゲームする 

七の月海に背を向けゲームする 恐怖の大王が降ってきそうな七月、海開きがあって、そのイメージは眩しいほどだけど、ぼくはひとりでゲームするよ、去年も同じこと言ってた気するけどー、って句である。 足を掻き超不機嫌な昼寝覚 座布団を枕に雨の音を聞きな…

こんな話をかいた

急ブレーキを踏まれたKは車を降り、空に向かって言った。「ふざけんな指導員、金を払っているのは俺だぞ、金を払って罵倒される趣味は俺にはねぇ、お前はプロか、自らの説明下手を棚にあげ生徒を嬲るのが趣味か、お前も危険予測しろや」その後また車にのり…

こんな話をかいた

今日コンビニに行ったら。レジにヒッグス粒子が立っていた。僕は彼女?を理解していないが、そう思ったのだ。それで百円玉出してアイスを精算するとき「もしかしてヒッグス粒子さんですか?」と聞いてみた。彼女は顔をしかめた。「違います。重さの起源なん…

こんな話をかいた

本など退屈なものだ、結局それはひと繋がりの文字の列で、一本道じゃないか、前と後ろがあるけだ、とKは言った。最近、本を読んでる?と尋ねる僕にKは答えた。3年前に、何の本だったか忘れたが、そうそう、本を閉じて部屋を出るとイチョウがあって、その…

こんな話をかいた

タンスから出てきた黒い魔物に姉がさらわれた。続いて白い魔物が現れ「一緒にきて」って誘われる。旅立つのは姉を救うためだが。タンスの中にジャンプするとき、こう思った。愉快な魔物たちと、ぼくは闘うだろう。長い旅になる。そして再会するまで。きっと…

こんな話をかいた

影を働らせることを思いつき、黒い会社を設立した。影達は風に怯えながらもよく働き、会社はより黒々と大きくなった。でも、なぜ影は風を恐れるのか。綿ゴミのように飛ばされると思っているのか。団扇にかわって巨大扇風機を用意してるが、効果のほどは私に…

こんな話をかいた

男が神隠しにあった。桜の霊の仕業らしい。奥さんとしては男を救い出したい意向だ。乱暴だが桜を切れば男は現に目覚めるだろう。だが私は気が進まない。だって夢から醒めた男は、きっと桜の敵を恨むだろうから。第一、馬に蹴られて死にたくはない。それで奥…

こんな句をよんだ

晴れた日にとると甘いよ枇杷の実は 大粒の苺を手にしたお客かな

こんな話をかいた

丸く広がる街だった。街は複雑化し巨大な迷路と化した。住人は街の中の町で暮らした。文物は隣町から隣町へと伝わるのだった。街の真ん中に塔が建てられた。塔は竹の子のように高く高く伸び。その影は真っ直ぐに街を横切った。この一本道を駆け抜けるのが勇…

こんな話をかいた

今日のクロはあれている。私を睨みつけると、カー、ペッ、と毛玉を吐いた。そしてそっぽをむく、無頼派だ。恋に失敗したのだな。晩春の猫よ。 8月。小鳥が死んで鳥籠が残った。とても暑かったからね、母はつぶやいた。今夜、小鳥はもういないというのに、私…