プラトンとかものはし、とパスカルとスピノザ
- 作者: トーマスカスカート,ダニエルクライン,前沢敬
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2008/10/09
- メディア: ハードカバー
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この本はいちおう全部、読んだ。哲学的なテーマを利用したジョーク集だとぼくは受けとったけど、どうなんだろう。確かに読んだはずなのに、だいぶ忘れている。orz
外国のジョーク集らしく(?)ユダヤ人やアイルランド人やポーランド人が登場するジョークも多数あったように記憶するのだが。ユダヤ人やアイルランド人やポーランド人がどういう文化的背景を持ち、またどういう考え方をすると考えられているかという前提のようなものをぼくは知らないので頭の上に?マークが浮かぶジョークもあったと告白しておこう。
ひとつ面白いなと思ったのはパスカルが信仰とは本質的に賭けだ、と主張していたという話。まず神さまはいる方に賭けた場合、勝てば永久の喜びをゲット、しかもこの選択は君の人生を意味あるものにするだろう。たとえ賭けに負けても失うのは七つの大罪を思うさま楽しむ機会を逸するくらいのことだ。ところが神さまはいない方に賭けた場合。たとえ賭けに勝っても死後は虚無とみなしたそのまんま、死の谷を歩む途中にじつは神さまはいましたってことが分かっても、もう完璧にアウト。永遠の喜びを失うことになる。
つまりパスカルによれば、神がいるかのように生きるのが、よりすぐれた戦略になるのだ。以上のことは学者のあいだでは「パスカルの賭け」として知られており、一般には、「信仰のリスクヘッジ」として知れているものである。
(プラトンとかものはし、バーに寄り道──P132より)
メモメモ。
ところで。この「信仰のリスクヘッジ」と似た考えを最近、別の本でも読んだ記憶があるのだった。それは「スピノザの世界─神あるいは自然」という本。この本の中のスピノザもやはり世俗的な喜びと永遠の相を示すかに見える究極の喜びとを天秤にかけ、それがあるかどうかは分からなくても、やはり後者に賭ける方が賢明なのであると結論したのち「エチカ」の執筆にとりかかった、と解説されていたのである。まあ、似てますってだけだけど。あちらの方ではポピュラーな考え方のひとつなのかなー。
- 作者: 上野修
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/04/19
- メディア: 新書
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