猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話をかいた

  • 夢は灰色の余白。かつてはあったのかもしれない、なめらかな白の上に描かれては消されをくり返し、たわんで滲んだ薄い汚れ。光の下でも現れる、空の歪み。何度となく打ち消されつつ浮かび上がる、午後の亡霊なのだ。
  • 病院に行って、しばらく待合室で時間をつぶすことになって、雑誌とか手にとったのだが、どうにも文字が追えず、ふと顔をあげたら、広い廊下の向こうにガラス張りの玄関があって、外の緑が日の光に眩しく映え、室内と屋外の明暗が、なんとなく夏休みの風景のように見えた。
  • 姉が手作りチョコに挑戦している。怪しげな呪文を唱えつつ、粉末にしたのは蝙蝠の目玉に蜥蜴の尻尾。私は考える。 ……ともあれ、本命がいることだけは確かなようだ。
  • 恋愛は難問だ。頭がよくないと無理なのだ。この方に……って思た相手にぼくらは暗号と解読法を贈る。合格ならその暗号で返事がかえってくる。複雑なら複雑なほど良い。それは言語をつくることにも似ている。ハードル高すぎ
  • 目の前を歩く男が、なんとはなしにムカつくのだった。僅かに傾いているような癖があり、真っ直ぐしろよ、と怒鳴りつけたいような、殴りたいような、よく知っているような、知らないような、ともかく気なるのだ。思い切って追い越し、顔を覗いたら自分だった。
  • 今日、お爺さんを読んだ。とても愉快な方だった。最後の夜にもお酒を飲んで、馬車から落ちてひかれて死んだ。月明かりの中、馬はそのまま家路。……顔をあげ窓を見ると小鳥がいた。私もいずれは死ぬ。死ぬと本になって図書館の棚に置かれる。私を読んでくれる者はいるのかなぁ。
  • 成人式の終わりに眼鏡を渡された。「眼鏡をかけて、ついてきて下さい」市長さんがあまりに真面目な顔で云うのでぼくらはクスクス。案内されたのは市役所の地下で扉の向こうには、それがあった。それはそれとしか言えない。言葉がないのだ。ぼくらは大人になった。後戻りは出来ない。
  • 死後は静かな海で眠りたい。それがお金持ちの望みだった。執事は早速ロケットを用意すると、宇宙へと飛んだ。目的の月面に降りるとスコップで穴を掘り主人の棺桶を埋め、月の石をどんと置いて墓標とした。仕事おわり。律儀な執事ロボットは今も、静かな海公園に座ってる。
  • 急に頭が痛くなった。お薬を飲もうと思って洗面台の前に行き、コップに水を入れていたら、頭の上のハッチがカパッと開き、中から小さなひとが出てきた。「それは私が飲もう」と言うので、錠剤を渡したけど、これで良かったのかな?