猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話かいた

 
風が吹けば、ぼくらは落ち着かない。ぼくは思ってる。遠くに行かないで、ずっと此処にいて、と。君は思ってる。なんだか重い、と。仕方ないじゃん。ぼくはペーパーウェイト。
 
一枚の葉書を受け取り思い出した。緑園さん、上緑さん、緑川さん、緑谷さん、常緑さん。朗読研究会の仲間であり、みな魅力的な人たちだった。想像だが仮に無人島に漂着しても、彼らなら理想の村とか建設しちゃうんじゃないか。今でもたまに集まっているらしい。私には縁がなかった。
 
ホシノメクサ。ホシノメクサは一晩だけ、星のような花を咲かせることから、こう呼ばれる。そう述べるは、実は正しくない。正確には草ではなく菌類だからだ。手にとっても根も葉もなく、ただ硝子細工めいた花だけが咲いているように見える。
 
密室には、バナナの皮が落ちていた。
 
獏は少女の夢を食べていた。食べても食べても、夢は生えてきた。赤い夢。紫の夢。黒い夢。きりがなかった。ついに獏のお腹が破裂した。白い煙、もくもく。煙は王子の姿となり、少女を空へと連れ去った。獏はといえば、破裂した勢いで世界一周。
 
昔、通学路に三角の広場があった。広場には果物や野菜を売る露店が並び、七つの路が集まっていた。学校に向かう路、神社に上る路、映画館に続く路。あと4つはさらに狭く、迷路の一部をなしていた。実際よく迷った。ああ此処に出るのか、という場所が三角の広場だった。
 
長いダイイング・メッセージだった。約4万文字。赤いインクを使い百一枚の原稿用紙に推理小説の形式で書かれていた。探偵は言った。傑作ですね。犯人もそう思ったのでしょう。それゆえ執筆を見守り、この原稿を廃棄する事も出来なかった。担当編集者の所に行ってみましょう。