猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を書いた

藤の手入れを頼む。息をひきとる前、父は息子にそういった。息子は思った。彼はこう考えたのだろう。自分が死んでも藤は残る、手入れをしなければすぐに枯れる、四季はめぐり続ける、そこには何の疑問もない。息子は藤を眺めた。鉢植えのわりには大きく見えた。しばらくして人に譲った。
 
白い翼の彼女はぼくの天使だ。いつも、ぼくのことを見ていてくれる。ぼくはとても自由で、彼女も何も言わない。ただ悪いことをすると手帳をとりだして、消えない文字で記録する。彼女が手にするペンの先は真っ赤に燃えている。
 
鉛色の服をきて鉛色の世界を見ていた。濃淡の世界に少しまぶしい白衣の人が現れ、空にかかる虹を語りはじめた。ぼんやり聞いていると。日が沈みだし、空が色づきはじめた。燃えるような空だった。目から涙があふれた。白衣の人に近づいて、ナイフで刺した。
目を覚ましても、赤い色は鮮明に覚えていて。夢には色があったのだな、と考えた。
 
島の恋人たちは抱きあうと、よく相手の背中をたたく。パタパタと。この身ぶりは「あなたは私の天使だよ」ということを示してる。「背中に翼は生えてない?遠くに行かないで。ずっと側にいて。私の大切なひと」
子供を抱き上げ、パタパタするっていうのも、よく見かける光景である。
 
ふくよかな体形の彼は太陽の国にきて、波乗りの練習をはじめた。海原を相手にしてても、意地悪を言う人もいた。でも夜には地元の焼き鳥を食べてお酒を飲んで胡瓜で口直し。いつしか褐色の肌。笑うと白い歯が光る。ふくよかな体形のサーファーになった。