むかし近所に、白い煙突が立っていた。煙突は高い壁に囲まれ、先端は少し尖っていた。煙突は真新しく、煙なんか出さなかった。ただ青空に向かって白く伸びていた。ぼくは子供で。何の工場だろう、って疑問も抱いてはいなかった。 そんな夏の夕暮れ。サイレン…
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