猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

こんな話を書いた

今年も鎮守の森に、鬼火があがった。二つ重なるようにして。伝説によれば、道ならぬ恋に走った恋人たちの魂らしい。死んだのちも二人は離れず燃え尽きても、また鬼火として蘇るらしい。地獄でも、ずっと。時代はうつろい。伝説の伝える禁忌が大袈裟なものに…

こんな句をよんだ

髪おさえ春風にらむ女かな

おなかが グー

こんな話を書いた

肖像画を抱えたゾンビ達が黄昏の街を歩いて行く。折れた尖塔が横たわる広場で半分崩壊したドームで、ゾンビ達は互いの肖像画を見せあっては時にぽぉ〜となり、想像の向こうに文字通り体を重ねる。差し出した手は胸を貫き、鎖骨は鎖骨と絡み、骨盤は骨盤にめ…

こんな話を書いた

彼女は少し死にかけている。診察を受けねば正確な事は分からないが数々の検査を思うだけで気は重い。彼女は病院へ向かうために、ゆるい服を選んだ。ドアと出た所で外国の少年と会った。二人ともびっくりした。少年は「良い一日を」と云うと駆け出した。少し…

こんな話を書いた

映画館から出てたら少し眩しかった。何時、降ったかは知らない雨が、やはり知らない間にあがったらしく。空気は澄み、道路には水たまりが広がってて、西日が鈍く反射し。月並みだけど、演出された映画の夜みたいだなって思った。 静かだった。耳を澄ましても…

こんな句をよんだ

むきだしの高い足場と春の空

書く予定

サバを開いて。そこに書こうと思うのだ。我が年代記を。私は一気に書くだろう。急ぐ必要があるのだ。ピリオドを打ち、私は読者に届けるだろう。駆け足で。彼は読むだろう、サバを。 「机上の空ねこ」……突如、机の上に現れた空ねこ。ぼくは目を疑いつつも、と…

「おやすみ」の本

そうだ。去年、「おやすみ」の本を作ろう!ってぼくは思っていたのだった。それは「おやすみ」という挨拶の本で、同じ「おやすみ」という一言で、さまざまな場面を描いた本になるはずだった。思っただけに終わってるな。ダメじゃん。……orz

こんな話を書いた

みんな誤解しているようだけど。透明人間というのは、そういう妖怪なのだ。透明人間に出会ったときの呪文もある。「あらわるあらわる」っていうのがそれだ。これを唱えると、透明人間は悪さをしない。 天使が壷のセールスにやってきた。間に合ってます、と言…

こんな話を書いた

高い塀に囲まれた中で男は胸を押さえ、じっと空を見ていた。聞くと女の事を思っているのだという。でも何かおかしい。どうやら男は女というものを知らないみたいなのだ。端的にいってその女は存在しない。だがある日、男は塀を越える。恋する翼で空へと舞い…

こんな話を書いた。

あれは37日と14ヶ月、120年とんで17世紀前。ぼくは伯爵と1つの荘園を賭けてチェスをした。美しい荘園だった。ただ性格的には天の邪鬼な土地ではあった。ぼくは勝ったが。荘園は伯爵を選び彼らは駆け落ちをした。やれやれ。相撲には勝ったが勝負に…

こんな俳句をよんだ

──皿洗い硝子向こうの雨水かな ──ふらここの下にぽっかり青い空 雑草も茂りはじめた公園に行ったら、ブランコのある場所だけ土が剥き出しになっていて、水たまりが出来ていた。その水たまりに空が映っていたよ。という句である。

こんな話を書いた

その日の午後も街の教会で、お婆さんはじっと目をつむっていた。白いベールを被り、手にはロザリオを手にしている。まあ、信仰深い方ね、と人は言った。でも違うのだ。お婆さんは街の喧噪を逃れ、ただ静けさを呼吸していただけ。今日も他人とすれ違い、お辞…

こんな俳句をよんだ

庭のすみ日ざしに応ゆ藪椿 惜しげなく紅投げかける椿かな

こんな話を書いた

街は静かで通りに人はいなかった。街灯と並木と点滅する信号と犬が一匹。僕は空き缶を蹴った。理由もなく。思いがけず、けたたましい音がして犬は哀れっぽい声を上げた。見上げるとホテルの7階の1室だけ明かりがついていて人影が動いた。朧な月が浮かんで…

こんな話を書いた

今夜、屋上に上ったら。望月だった。本当に、まるまるした月で、何時もの3倍は大きく見えた。街の銀河を横目に、「ちょっとはダイエットしたら?」と言ったら。月はさらに大きくなり。もう少しで押しつぶされるところだった。ふぅ。危ういところでした。 ぼ…

こんな俳句をよんだ

お茶飲んで春の雨音ふかい息 墓地に来て摘むに躊躇う土筆かな 春といえば起床の季節である。であるがゆえに春は眠い。どこから起きるかといえば、もっぱら土の中、穴の中からである。曰く、啓蟄!曰く、蛇穴を出る!あと、土筆とか?……今はそれくらいしか思…

こんな話を書いた

脳の先生の脳はイヤになってしまった。もう何もかも。先生はあれこれ言うけど、ぜんぜん私のことを分かってくれない。それで書き置きをして、脳は旅に出た。風に吹かれ、温泉につかった。テレビをつけたら脳の先生が出てて、相変わらずの笑顔でお喋りしてた…

こんな話しを書いた

彼女の事を思うと胸が痛くなる。約束をすっぽかしたまま月日だけが流れて、うまいいい訳も思いつかない。俺って最低だな、って1人飲んでいたら彼女からメールがきてびっくり。「今度ノートPCを買いかえようと思うんだけど、お勧めとかあったら教えてね」(o…

こんな話を書いた

ドアを開けたら自動販売機が立っていた。自動販売機は名刺を出しお辞儀をすると、家の前に自分を置いて欲しいと言った。液晶に売り上げ予想も示してくれた。少し考えさせてもらえますか?と私が答えると。またお辞儀をして「これお近づきの印です」って珈琲…

こんな句をよんだ

戯れにひと粒ぱくり春のチョコ 湯気も立つ豚汁ごはん黒い海苔 春雷の窓を開いて突き出した君の黒旗髪がはためく

こんな話を書いた

「バク売ります。健康。胃袋丈夫。悪夢もよく食べます。」 流しの下で信じられないものを見た。それは言語を絶する何かだ。私はそれを言葉にする事が出来ない。いずれは直視して対決しなきゃいけない、という事は分かってる。でも、もう夕方だし。今は見なか…

こんな電子書籍つくった 「お手がるチョコレシピ集」

net

・「お手がるチョコレシピ集」──http://p.booklog.jp/book/20617 主にツイッターで書いた140文字小説を集めてみた。表紙絵と挿絵は、aruerula(あるえ)様に描いていただきました。ありがとうございます。 m(_ _)m

こんな俳句をよんだ

人が待つ握ったノブの余寒かな

こんな俳句よんだ

憶えてた裏道の先に春の月 階段でゲームをしてるランドセル

こんな話を書いた

ぼくはゾンビ。母という名の恐怖に駆動され動く。噛みつく、貪る、引きちぎる。痛みはない。でも今朝。その母が崩壊した。朝の光を浴びてサラサラと。びっくり。彼女の正体が砂だったとは。

こんな長文かいた 「ラジオとレディオ」

今日、地元の局のラジオと聞いていたら。DJの方が凄く気どった喋り方をするので、また落ち着かない気持ちになってしまった。喩えて言えば「ラジオ」を「レディオ」といい、おれってカッコイイみたいな?……この土地は田舎だ、とぼくは思ってる。つまりぼく…

騒音対策としての俳句

「春の猫」の声をまだぼくは聞いていないけど、少し心待ちにもしている。「春の猫」の句をつくるチャンスだから。もちろん、実際に「春の猫」を聞かなくても俳句は出来るけど。聞いてからつくった方が本当かな、とも思うのだ。 でも実際に聞けば枕に頭を押し…

こんな句をよんだ 座布団や宴のあとの春障子

座布団や宴のあとの春障子 春。我家で集まりがあって、お客さんがいっぱい来た。夕方。彼らが帰ったあとに、彼らの数だけの座布団が残った。という句である。