2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧
春。まだ寒い頃、帰宅すると炬燵の上にメモがのっていた。文鎮のように置かれていた蜜柑を手にとり読んでみた。……「かかったな。その蜜柑は爆弾だ。ははは!」……突然、炬燵の中からKが顔をだして、やはり笑った。「ハハハ」……orz
帰宅して文鎮かわりの蜜柑かな ……「蜜柑」は冬の季語でした。><
眠りに適した本というのは、どこか教室にも似てると思うのだった。前にも考えたことなのだが。たんに難しいだけの本では、たぶんダメで。自分自身が興味を持ち、なんとか読破したいなぁ、とは思っているのだけれど。やっぱ、無理。と快く諦めさせてくれるよ…
生意気な人工知能Xの倒し方。…まず3才児の描いた絵を用意する。画像を数値化し、Xに食べさせる訳だがそれとなく、これは暗号化された重要機密。タイムマシンの設計図の可能性がある、と匂わせておく。Xはそのように解いてしまう。タイムパラドックスの発…
一冊の本を抱く少年がいる。本を抱くということが、なにか気取ってるようにも見えたのか。彼は学友たちに、からかわれる。少年はそんな連中から顔をそむけ、ひとりになれる場所を探し。また一冊の本に目をおとす。少年は思う。……お前たちはお前たちの喧騒を…
サーベルを下げ、お祭りを見回りに行くと男達が言い争っていた。早速、私は怒鳴った。「喧嘩はいけませーん!」すると第3の男が現れて、男たちを言い分を聞き喧嘩を納めた。その上で「すぐに官憲が出てきて威張るのが良くない」と言った。頭にくる。「貴様…
へのへのもへじ
夜遅くまでKは語った。友とも何か。真の友情とは?……たて穴を掘る夢をみた。深く深く。うつらうつらした拍子に私は頭を落っことし、死んだ。Kは私の携帯をとり電話をかけ始めた。知人らに私の死を知らせているのだ。友情はともかく、連絡網のリストは役に…
春雨じゃ濡れていこうと猫の恋 逆光は勝利、季重ねも勝利!……という気持ちで詠んだ。><
いっぽんの?お化け煙突より、ひと筋の煙。上った先で雲がもくもくして、いち座の雲だ。その頂でいっ服してたら、いち陣の風が吹き。ひとりの私が落っこちた。 ■トリック・オア・トリートは外国のおともだち。トリックが名前で、オアがセカンドネーム、トリ…
昼寝からさめてウサギは言った。「どんなに急いでも、追いつかないものは追いつかない。速度というものにも、おのずと限界はあるのだから。光の速度に挑みクラッシュするより、30分だけ早起きした方がずっといい。でもまあ、今はあと少しだけ。寝ようかな…
#twnovel 主賓は私。ドールズフェスタは私のために開催され、人形たちは華麗に着飾り競いあう。並び立つ冬の女王さながらに。人形たちの過酷な相互チェック!……吹雪を遠目にみる、壇上の私こそ蚊帳の外。お飾りさ。 #twnovel 丘の上で幼い船乗りもまた、風を…
#twnovel 公園で。隣に座った男の頭は金魚鉢だった。鉢には流木が沈められており水草が揺れていた。不躾だとは思いつつも、目も離せず私は言った。「失礼。綺麗な水ですね。透明だ」……私は思い切って尋ねてみた。「そのう。その金魚鉢に金魚は飼わないのです…
バレンタイン1個たべたよチョコボール
今日、2月14日。ポケットにチョコボールを入れて持ち歩いた。どうせ淋しい思いをするに決まっている可哀想な友人にあげて、慰めてあげるつもりだったのだが。なぜか女子からチョコをもらい彼は幸せになっていた。仕方がないので屋上に上がった。チョコの箱を…
いくら恋の歌だからといって、ずっと聞かされてはたまらない。もう耳を塞ぎたくなるほどだ。だが馬に蹴られたくはないし。ぶっちゃけ、ぼくは無力だ。昔のひとにならい、この騒音を詩にしよう。春の猫…… 私はぬいぐるみを手にしている。長い耳のウサギ。そり…
ときに人生は、ただコーヒー、それがどれほどのものであれ、一杯のコーヒーがもたらす親しさの問題だということもある。 これは「芝生の復讐 」(新潮文庫)47ページ、「コーヒー」という小説からの引用。冒頭の箇所だ。リチャード・ブローティガンが著者で…
大きくなったら図書館で働きたい。ぼくはまだ小さいから危険だって、図書館には入れないけど。大きくなって立派な髭をたくわえたら断然、司書になる。じゃ鍛えなきゃね、って母さんは言う。石の本を軽々と棚から取り出す司書って凄い。筋骨隆々。ぼくも筋ト…
駆けるパンダ
「ふと思ったのだが。ミイラ取りがミイラになる事はあっても、ミイラがミイラ取りになる事はない。これは不可逆的だと思う」……遺跡の暗がりで。そんな軽口を叩いてみたら。地元のガイドが振り返りつつ「はたしてそうでしょうか?」と笑った。 ヤツは少し腐っ…
ガラス越し中庭に咲く梅一輪
背中に気配を感じ振り返った。気になって立ち上あがり、クローゼットを開けると、白くぼんやりした男が立っていた。すぐに閉めようとしたが。男も抵抗をして言った。「少しは整理整頓を頼むよ。いや、私はクローゼットの精なんだけどね」 ハンバーガー屋の店…
創作昔話「野茂太郎」という小説を読んだ。(http://togetter.com/li/254519 ) 複数の人々によるリレー小説で、ツイッターで書かれたらしい。思いつきや、行き当たりばったり感が楽しい話だった。それぞれの作者の気ままな無責任さが愉快。 リレー小説にも…
昔の人はお腹を割って話したらしい。当時は人の魂もお腹の方にあったのだ。やがて人は胸を叩き始めた。胸に手をあて考え、痛むのも胸だった。さらに時代は下り人は頭で考えだし、頭を痛めた。近未来には外部記憶装置を叩き始めるんじゃないかな? 近所の猫た…
くまは言った。 2月14日など存在しない。 2月13日の次は2月15日だよ。
キスは天然のドラック 健康にも良い ってさ 心配するな おまえとはしないっ!
【お爺ちゃんの趣味】お爺ちゃんの趣味は人生相談だ。綺麗なお姉さんのいるお店に行く。お姉さんのお話を聞くらしい。でもそうしたら次は、お爺ちゃんのターン。お爺ちゃんはこんこんと話す。人生の話だ。お爺ちゃんの話は長いうえに繰り言も多いから、ぼく…
ドライブして海……なんて退屈だ。防波堤に砕ける高波を見ようが、凪を行く船を見ようが、波打ち際で足を濡らそうが。海は海。何時もと同じ。ほんと退屈。でも潮風に吹かれ水平線を望む、君を見るのは嫌いでもない。 お話を書いていて急に目眩がした。自分がよ…
駅で本を売っている人を見た。詩集だ。呑気なものだ、と思ったが風は冷たい。凍える手に息を吐き1冊を手にとった。詩集売りの表情は読めない。不思議な詩だった。そうとしか言いようがない。顔を上げると詩集売りがパッと輝いて見えた。彼は手を振り立ち去…