猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

こんな話をかいた

冷蔵庫から、雪だるまを取り出した。冬につくって保存していたものだった。ベランダの手すりに置いて、写真をパチリ。どうですか?これが夏です。真夏の日差しを浴びて、雪だるまはすぐに溶け出した。聞こえるのは、夏を賛美するオペラ。 「大声は嫌いだ!」…

こんな話をかいた

「行きたいときに行くわ」と子猫は言った。「どうぞ、ご勝手に」と僕は答えた。ふん、とすまして歩き出す子猫。遠ざかり見えなくなる、その後ろ姿を、そっと追いかけた。帰り道を見失い泣き出さないか、心配だったから。だが子猫は存外に平気。ひとりを楽し…

こんな俳句をよんだ 

ひと切れを選び手にとる西瓜かな

こんな話をかいた

外人墓地の木陰で幽霊と出会った。外人だ。目があって冷や汗。案の定、なにやら外国語でまくしたててきた。アーッと叫び出したくなるのをこらえ、語学の得意な友人に電話して聞いてみた。「彼はなんて言っているの?」……「貴方は神を信じますか? だってさ」…

こんな句をよんだ

夏帽子あごひもつけて高い空

こんな話をかいた

大人しい猫だった。尻尾を持ち上げても、気にしない。匂いをくんくんと嗅いでも知らん顔。洗ってあげる事にした。桶にはった水でジャブジャブ。猫はなおも、よきにはからえ、て顔してた。そんな猫が10匹もいたので全部、洗って干してやった。梅の木に鈴な…

こんな話をかいた

蝉屋敷と呼ばれる家があった。そのあたりの林だけ、蝉の声が凄いのだ。でも。探せど蝉の姿はあまりみかけなかった。ぼくらは蝉の亡霊だよ、って噂した。なんの因果かは知らない。 友人はひたすらに自画像を描いていた。モデルを雇う金もなけば、友達も少なか…

こんな話をかいた 「クマにしか見えないけど、クマと呼ぶわけにもいかないクマみたいなヤツのはなし」

森の公園に行ったら、滑り台の所にクマが寝ていたので言ってやった。「おい、クマ、邪魔だよ」クマは返事をしなかった。美しいまでのスルーぶりだった。家に帰って猟銃をとってこようと思ったほどだが。クマはゆっくりと空を見上げ、こう言うのだった。 「ク…

「紅梅に干しておくなり洗ひ猫」について

「紅梅に干しておくなり洗ひ猫」について。パッと読んだ感じ、シュールだな、とぼくは思ったのだった。でも先日、公園を歩いていたら木の上で寝ている猫を3匹くらい見た。鈴なりの猫たち。考えてみれば猫が木の上で寝ることになんの不思議もない気もしてき…

こんな話をかいた

裏窓を開くと墓地で、その向こうに見える高い煙突は火葬場だった。私は気にしないが。烏がうるさいのだけは、我慢がならなかった。目を覚まして静か。窓の外にはマンションが立っていて。そうだ。墓地も火葬場もとうの昔に移転したのだ……と思い出した。幽霊…