2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ネタ探しという名の旅立ち(1) バナナは物思いに耽っていた。庭では破れ芭蕉が風に吹かれ、空にはポッカリと月が浮かんでいた。十五夜の夜だった。バナナは詩情に誘われていた。けれど言葉にできない何かは言葉にはされぬまま、すっとバナナの手を逃れた。…
蝶の羽根が一枚だけ地面を移動していた。よく見たら、蟻が運んでいたのだった──という句である。【メモ】たんに「蝶」だと春の季語になるらしい。
iPhone、は持ってない。持ってないけど、アプリケーションのアイディアを思いついた。その名も「i歳時記」だ! 「i歳時記」は俳句ファンの友である。季節の季語を分類、提示し、また有名な俳句も示して、俳句をつくる人の俳句ごころをくすぐる。「i歳時記」…
野良犬が片足あげる月夜かな
以下はむかし見た夢。 大きな木がある。幹は太く、四方に伸ばされた枝と茂った葉っぱで、根元は暗く少しひんやりとしている。そこに10円玉がいっぱい落ちていて、おっおー、とか思ってぼくはそれを拾う。ときどき百円玉も混じっていて、少し興奮ぎみ。すぐ…
見上げれば緑と空と団栗だ ポッケから溢れているよ団栗が どんぐりと貝殻とコインは少し似てる
「○○○○○星を横切る蚊喰鳥」──星空を見上げていたら影が横切った。コウモリだった、という句。○○○○○は、まだ考え中。ネットでしらべたら、コウモリは夏の季語らしい。 コウモリ」の名は古語に「かはほり」「かはぼり」と呼ばれたものが転訛したものである。別…
始発前軌道屋さんと虫の声──鉄道の保線工事を目撃する機会があって、短い時間ではあったけど、ちょっとビックリしたのだった。終電と始発の間の時間に凄まじい勢いで軌道屋さんが仕事を終えて、朝が白む頃、線路のそばでは虫がないておりました、というイメ…
しおからのドラゴンも舞う秋の暮れ 振上げた枯れ枝の先星ひとつ 秋空の飛行機雲すぐ消えた
【俳句】窓の外月に吠えてる酔っぱらい──夜中。酔っぱらいの声が聞こえた。月に吠えておられるのだろう──という句である。
【俳句】路地ゆけばビルの谷間の星月夜──ビルとビルに挟まれた狭い道で空を見上げたら、星がいっぱい見えた──という句である。
【俳句】油虫青の信号渡ってた──夜。信号機がちょうど青になったとき。横断歩道を渡る油虫をみかけました。──という句である。【メモ】油虫(ゴキブリくん)は夏の季語らしい。
【俳句】遠ざかる電車の音秋の闇──明かりを消して横になったら、遠くに電車の音が聞こえた。遠くまで行くのだろうなあ、て思った──という句である。
【俳句】虫時雨かき消してゆく救急車──夜、あたり一面に虫の声が響いていた。そこにサイレンを鳴らした救急車が近づいてきて、びっくり。すこし不思議な感じがした──という句である。
【俳句】白壁にぺたり貼付くヤモリかな──白い壁にまるで影のようにヤモリくんが貼付いておりしました──という句である。【メモ】調べたら「守宮」(ヤモリ) って夏の季語の季語らしい。なんとなく、そんな気もした。来年の夏にまたヤモリの句はつくろう。
【俳句】草むらや空へと降るか虫時雨──夜の草むら、いっぱいに虫がないていた。虫の声が雨なら、地上から空へと降る雨だな、て思った──という句である。【メモ】地面から空に降る雨ってなーんだ?という、なぞなぞ。林より空へと降るよ蝉時雨、っていうのも…
【俳句】暗がりでおおとか呼ぶな太い猫──夜道を歩いていたら突然、おお、と呼ばれた。猫の声だった。少しびびった──という句である。
【俳句】秋麦酒ザーサイ食べてフフフのフ──ザーサイをつまみに麦酒を飲んで、なんか幸せ。我ながら単純──という句である。
【俳句】指をおり空を見上げる秋の暮れ──空に幾つかの言葉を思い浮かべ、五七五の文字を指で数えた──という句である。【メモ】俳句は好きだ。まず短いのがいい。文字数に制限があるので否定や仮定など、複雑なことを避けるようになって。自然、素朴な感じに…
「最近の若いものは」て言われるとムカつく、という話を読んだ。 へえ、と感じた。 「最近の若いものは」と云う側に回ったのだ。いつのまにか。 最近の若いものは辛抱たらん、ていうか年寄りへの寛容さに欠ける。 だって、そうだろう。「最近の若いものは」…
【俳句】ベランダで面舵いっぱい秋の風──ベランダにいたら良い風が吹いたので、面舵いっぱい!と言ってみた──という句である。
【俳句】牛おれば全部喰うのに草の花──雑草の茂る空き地があった。それを見て、牛がいたら奇麗に食べてくれるのにね、と云う人がいた。牛のことはよく知らないが。そうかもね、と思った──という句である。【メモ】「草の花」秋の季語。
【俳句】高いビル灯火親しワンフロア──深夜。大きなビルを見上げたら。ひとつの階だけ、明かりがついていました──という句である。
秋の季語を見ていたら「夜這い星」というのがあって、少しびっくり。流れ星のことらしい。清少納言も「よばい星、すこしをかし」と書いたらしいから由緒あることばなんだろう。「夜這い」という字をあてるのは、文学史的にいうなら?最近のことだよ、とも書…
【俳句】重い足階段の下虫の声──あーあ、なんだか、疲れたなあ──という句である。