2010-01-01から1年間の記事一覧
夜中に目を覚ました。トイレにたち、また布団にもぐりこむ前に。丸い月を見上げた。鼻をかんだ。寒かった。──という句である。冬至らしい。
「ショート・トリップ」を読んだ。面白かった。タイトルどおり短い旅のはなしの短編集で、スイスイと読めると思う。ぼくは読破するのに一ヶ月くらいかかったけど。それはぼく自身の怠惰と夜は眼鏡をかけないと活字をおうのがつらくなった、という事情による…
東京 こんな夢を見た。 電車に乗って、年老いた犬と一緒に旅行に行く。東京らしいのだが高いビルとかはあまりなくて、田んぼにまっすぐな道がのびていて、えんえんと電柱が並んでいる。犬に帽子をかぶせながら、ぼくは云う。──「流石、東京だ。こんな所では…
紙コップ 彼と彼女はきれい好き。それぞれのやり方で。彼女は彼の部屋を見て好感をもった。スッキリしてる。それは彼女にとっても大切なことだった。彼が手料理をふるまう。テーブルに皿とコップとが並ぶ。ただし全部、紙製。ナプキンも当然、紙だ。昆布だし…
「情報中毒」と「好奇心のパラドックス」 http://wiredvision.jp/news/201011/2010113023.html 上の記事が面白かった。結びにはこう書いてあった。 つまり、好奇心にはパラドックスがあるのだ——「すでに自分が知っていること」をもっと知りたい、という。 φ(…
眩しかった。強烈な日差しは容赦なく箱庭のような街を炙り、いまにも燃えそう。て思っていたら、煙りがのぼった。それを見て、ぼくはとても焦った。──鐘をならせ!救急車!救急車!じゃなくて消防車だ。119番、はやく電話しなきゃ!──でも携帯はなくて、…
月並みだが。やっぱ140文字制限は偉大だと思う。せめてワンブロック140×2くらいにまとめてもらった方が僕は読みやすい。1000文字書いたらネットでは長文の部類ではないか?と個人的には思う。ざっと3000文字ほどの長文がびっしり詰まっているページを見ると…
Kのダイエット Kがポンとお腹を叩くとお肉が揺れた。ぷるん、と。ポン、プルン──という訳で彼はダイエットしようかな、と考えたのだった。まずKは電車に乗り街へと出かけ、靴屋さんに入った。そこで割と良いランニング・シューズ を買ったのだった。これ…
最近、俳句がつくれていない。毎日、一句ひねりませう、とか考えていたのに全然だめだ。思うに俳句をつくるのにも、そうした姿勢みたいのが必要で。暇があったら季節の風物に目をとめ五七五に文字を並べちゃうぞ、ってどこかで思ってないと。俳句脳が始動し…
朝、起きてわたしは考えた。わたしの頭の中には小さなわたしがいて、わたしを操縦しているのではなかろうか?すると頭の中の小さいわたしたちがこたえた。……フフフ、かもね。わたしの頭の中の小人さんたちの声はわたしより少しだけ甲高い。当然ながら、わた…
リア充爆発しろ!てゆうか世界爆発しろ!…て言ったら怒鳴り返す奴がいた。凄い剣幕で。命を大切にしない奴ぶっころす!はっ、顔まっ赤!しかし、おっそろしい。おれは応えた。「おはよう」…世界爆発しろ!という気持ちをこめて。おはよう!おはよう!相手も…
旅に出るなら10月、というのが家訓なのだった。母は息子に言った。「ゆけ、とび丸。汝、放たれたる矢。旅立ちのときぞ」 とび丸は名前のとおり丸い子だった。とび丸は一本道の向こうを指さす母を見上げ、はい、と答えると、ころころと歩みだした。峠の道。…
「ニャア」だけですべてをすませよう、という人は多くはないが、そう斬新な試みという訳でもない。何をいっても「ニャア」。万能の「ニャア」。無限のニュアンスに開かれた「ニャア」。ヒッキー文学の祖、カフカもこう述べている。 「あなたが感じられるとい…
最後に探偵は言った。 「こうして事件は解決された。非常識な自殺だ。すべてはお調子者の悪ふざけだった。彼は愉快犯。典型的なO型だった。ここで思い起して欲しい。この事件にはお手本があったということを。ちょうど10年前に起きたA型事件がそれである…
それで思い出に次のようなオンラインブックを編ませていただいた。 ・暗黒史・「ハロウィン超短編まつり(>w<)2010」 ──http://p.booklog.jp/book/13406 面白かった。><
ハロウィンの夜。通りは仮装した人々でいっぱい。ドラッグストアの店内ではワインもふるまわれ、ダウンタウンは夢心地。不信心な熱気に包まれ、お巡りさんの持ったピストルだけがリアルな光を放っておりました。そんな喧噪から、ひとつの影が離れていきまし…
ネタ探しという名の旅立ち(1) バナナは物思いに耽っていた。庭では破れ芭蕉が風に吹かれ、空にはポッカリと月が浮かんでいた。十五夜の夜だった。バナナは詩情に誘われていた。けれど言葉にできない何かは言葉にはされぬまま、すっとバナナの手を逃れた。…
蝶の羽根が一枚だけ地面を移動していた。よく見たら、蟻が運んでいたのだった──という句である。【メモ】たんに「蝶」だと春の季語になるらしい。
iPhone、は持ってない。持ってないけど、アプリケーションのアイディアを思いついた。その名も「i歳時記」だ! 「i歳時記」は俳句ファンの友である。季節の季語を分類、提示し、また有名な俳句も示して、俳句をつくる人の俳句ごころをくすぐる。「i歳時記」…
野良犬が片足あげる月夜かな
以下はむかし見た夢。 大きな木がある。幹は太く、四方に伸ばされた枝と茂った葉っぱで、根元は暗く少しひんやりとしている。そこに10円玉がいっぱい落ちていて、おっおー、とか思ってぼくはそれを拾う。ときどき百円玉も混じっていて、少し興奮ぎみ。すぐ…
見上げれば緑と空と団栗だ ポッケから溢れているよ団栗が どんぐりと貝殻とコインは少し似てる
「○○○○○星を横切る蚊喰鳥」──星空を見上げていたら影が横切った。コウモリだった、という句。○○○○○は、まだ考え中。ネットでしらべたら、コウモリは夏の季語らしい。 コウモリ」の名は古語に「かはほり」「かはぼり」と呼ばれたものが転訛したものである。別…