猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

こんな話をかいた

帰り道、また相合傘で歩いた。雨が降るたび、お寺の裏の手の所で二人になってしまうのだ。バス通りをとぼとぼ歩いて、約八百メートル。神社の前で、ふっと消えてしまう。こだわりのない方なのかもしれない。 目を覚ますと、見知らぬ鹿が添い寝をしていた。私…

こんな話かいた

雲も、ため息をつく。生まれては、ため息。消え失せるときも、ため息。このため息は軽く、上に溜り、空は紺碧に染まった。吐息はごく淡く、青いのだ。 旅はあまりにも楽しいので、ゆっくりと行きたいものだ。せっかちなのは足、心臓が後につづく。引かれた髪…

こんな話をかいた

急に暗くなった通りに、激しい雨が降り始めた。上空に雲の城がきているのだ。稲妻は街ぜんぶを照らすフラッシュ。雨がやむと、すべてが嘘のよう。傾き始めた日の光に道も車もビルもぴかぴかして、すごく眩しい。 眩しさの中で犬が溶けていた。車も溶けて、ス…

こんな句をよんだ

力なく枕にぐったり蝉の声 暑いので板の間で横になった。風が吹くとまだ良いのだが。蝉の声ばかりが元気に響き。昼寝もできない。って句である。_ノ乙(、ン、)_ 指さした一番星に蚊食鳥 夕方、見上げた先の星をかすめ蚊食鳥が飛んでいた……って句であるが。星と…

こんな話をかいた

星も生まれて、老いて、死ぬ。食べられることもある。星喰鳥はその一生に千個ほどの星を食べる。 船乗りの話だった。蟹座星域での蟹漁は危険なもので、漁の期間は3日と限られている。でも漁場は遠く、片道3ヶ月ほどかかる。実入りはいいのだが。蟹漁の漁師…

こんな話かいた

双子の姉は、ときどき寝ぼける。 その夜も寝ぼけ、階段をのぼり窓に向かって怒鳴りだした。 「コロス、コロス、コロス」と。 翌朝には綺麗に忘れていたが、私は考えてしまうのだ。 あの言葉は窓の外に向けられていたのか。 それとも窓硝子に映る自分に言って…

こんな話を書いた

1。窓だけの家に住んでいる。建築家だった父が設計した。想像を絶する家だ。すごく暮らしにくい。 2。窓の外には一本の木が茂っている。窓枠を額縁として眺めれば、四季折々の絵画にも見える。花が咲く。葉が色づく。実がなる。ときに、ぶら下がった人がい…

こんな話かいた

闇に乗じ蔦を手がかりに石塀をのぼり、女の寝室に滑りこんだ。口を塞ぐと目が見開き、同時に月が出た。冷たい目だった。前髪に手をやり、その顔をとくと見た。二つの眼。夜空にもふたつの月が輝き、射抜かれて、何の不思議もないのだった。 森でゾンビ達に囲…

こんな話かいた

道に迷い歩道橋の下で道を尋ねた。老婆は地図を描こうといい、私の手のとった。黒いマジックで運命線をなぞり、これが道、生命線をなぞり、これが川、という具合に説明してくれた。目的地は結婚線の端あたり。ここの地形と私の手相はほぼ相似であるらしかっ…

こんな句をよんだ

ペンとメモ鍵にビー玉金魚鉢 金魚鉢はあるのだが、金魚は泳いでいない。かわりに、ペンやメモ用紙や鍵やビー玉が入っている、って句である。

こんな話かいた

理不尽な編集者は理不尽な駄目だしをする。……「はい、書き直し!」……理由は示されない。作家は走らされる。だが無駄な走りなんかない。作家は、鮫や自転車や氷上のランナーと同じ。止まれば死ぬ。走り続けることだけが生き残る道だ。走れ、走れ。 作家の顔に…

こんな話かいた 

波打つ草原を海に向かって走った。雲の上をいく船は帆をいっぱいに張っている。ぼくの心臓も風力で動いてる。 珈琲屋からの帰り道、小さな王様を拾った。ポケットに入れて持ち帰り金魚鉢に入れて眺めた。王様は不機嫌そう。王様の目に私は映ってないようだっ…

こんな話かいた

夜の階段を降りる途中、白い影を見た。誰が活けたか知らない百合の白さが、風を呼び、カーテンを揺らし、月に照らされた中庭の亡霊をふり向かせ、目をそらし駆けだした足音が幼い、私か。 丘の上、寂寂たる廃墟に賑やかな一団がやってくる。カメラを構え、求…

こんな話かいた

「原稿なら出来ている」という先生の言葉を信じて、扉を開いた。「ここ、こここにね」と指さされたのは先生の頭。先生の頭へと続く、階段があるとは知らなかった。「傑作だよ、傑作!」って声がする。なんだか暗い。「手にとり読めば分かる。きっと君にも」 …

こんな話かいた

月を見ながらお酒を飲んでいたら、丸い者が部屋によじ登ってきて言った。「おっと、驚かないで、不審な者ではありません、私は月です」僕は丸い者を見て、空を見て、また丸い者を見た。「ああ、あれ、あれは影武者です」と丸い者はいい、テーブルのお酒をご…

くま名言  若人は夏を数え、老人は春を数える

名言を思いついたので、ここに記しておきたい。忘れないように。いわく、 若人は夏を数え、老人は春を数える ツイッター方面では少しだけウケた。いつかお話の中で使うつもり。><

こんな話

「図書館に行く」と言ったら、母が泣きだした。泣きながらサンドイッチを作り、泣きながらポットに紅茶を入れ、泣きながら父の形見だという短剣を手渡し、泣きながらこんな忠告をくれた。「靴は丈夫なものが良いけど、新しいのは靴ずれがするから、慣れるま…

書いてた

七夕の夜。プラネタリウムで、彼女と待ち合わせをした。彼女はこなかった。べつに平気。ひとりでも星は見れる。しかし毎年、この日は雨が降る。 病弱な私に、姉は植木鉢を持ってきた。鉢植えの世話は面倒だが、姉はときどき来るので捨てることも出来ず、水や…

こんな話かいてた!

夏。とおり雨のあと。小さな水たまりの上に、小さな雲がおきることがある。小さな雲は小さな渦を巻き、小さな嵐になる。愛好家たちは網で嵐を捕まえると、専用のコップの中に入れる。コップの中の嵐は、この地方の風物詩だ。 私は彼女が嫌い。嫌い、嫌い、嫌…

こんな話もかいてた

この季節になると人は高台に移る。地下からゾンビが沸いてでるからだ。街はゾンビでいっぱいになる。が。それもひとときのこと。長雨が、ゾンビを溶かし海に流す。そうしたら、また人は街にもどる。排水口の掃除をするためだ。 そいつは言った。 「雨が降る…

こんな話かいてた

青空の下。鯉のぼりがたなびいていた。風もないのに。……それで亡霊なのだと分かった。凪いだ空に優雅な泳ぎを見上げるのは楽しかった。けれど少し疑問。なぜ鯉はポールの先にとどまるのか。もっと遠く泳ぎ回ってくれてもいいのに。たとえば公団住宅の給水塔…

こんな句もよんでた

三角に小さく切った初西瓜 今年はじめての西瓜を買ってきた。まるまる一個じゃなくて、切り分けられたパック入りのやつを。少しお高い買い物でもあったので、包丁でさらに小さく切って食べたぜ!……という句である。

こんな句よんでた

葉桜や静かに溶ける路地の裏 華やかに咲いていたときには、あそこにも、ここにも、と思っていた桜も。散ってしまえば、だんだんと目立たなくなり、見慣れた町なみの一部として意識からは遠ざかっていくようで、この淡い緑の印象が最後かな、と思った。……とい…

こんな話かいてた

ラッコはお気に入りの石で貝を割り脇に挟んで眠る。大切な石なのだ。とある月夜。海藻を体に巻いて波間に漂うラッコを人魚が見つけ、その石をそっと取り上げた。ラッコの眉間に皺がよる。鼻先に悪夢を突きつけられたかのように。人魚が石を戻すと、ラッコは…

一匹狼でいこう!

しかしウケない

こんな話かいてた

窓のない部屋で、我らは小声で話す。選ばれた者の報告だ。規則は12。口を開くまで私自身も知らなかった(!)秘密を暴露すると……軽くなる。仕切りの外には体重計が置いてあって、背の高いひとが手帳に記す。大切なことなのだ。天井は高いが。背中に翼がはえ…

こんな句よんでた

葉桜や木陰は寒し握り飯 葉桜の下のベンチでお握りを食べた。春とはいえ、木陰は寒かった。まだ日向の方が恋しいね。……って句である。 ><

こんな漫画かいてた

ロボットも…… Zzz ……の目借時