2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧
春一番雲も横ぎる水たまり 先日「ハイク」に投稿した句。水たまりといえばアスファルトの上の、透明なそれを思い浮かべる。でもそういえば昨年は。近所の空き地で、土の上に出来た水たまりのそばを歩いたりもしていたのだった。その場所はけっこう広く、ずっ…
ぼくは中卒、文化人類学研究の徒ではない。 というより文化人類学の研究の対象、サンプルになる方が相応しい知性の持ち主だ。 野蛮なラベリングも平気で行う。なんの良心の呵責もなしに。 それはぼくのおなかが要求するところの、いってみれば素朴な知の開示…
吾妻ひでお公式HP( http://azumahideo.nobody.jp/ )を開き、「ひみつのひでお(絵)日記 '09.11月」を読んだ。「4日(水)」吾妻ひでお先生は「コンビニの前でJKが定期券落とした 瞬間に出会」したそうだ。まさにマンガ的シチエーション!そこで先生は…
今夜、彼はもりもり恋人を増やす呪文を考え出した。ともかく呪文を唱えるだけ。それだけで、もりもり恋人が出来るのだ。けれど彼は呪文を唱えることはしなかった。もりもり恋人が出来たら大変だ、と本気で心配したからである。──もりもり恋人が出来たら、も…
きのうは日曜日。ぼくはしゃっくりに悩んでいた。しゃっくりを治そうと沢山の水を飲んで、なんだか気分まで悪くなった。それでも意地になって机に向かい、何枚かのマンガをぼくは描いた。しゃっくりが出るたびに手元が狂い、しゃっくりとしゃっくりの合間を…
] ……I ……Love ……U ……なんちゃって このあいだ、ハイクで描いたマンガ。
2月15日 ミレナはある朝、なにかしら不安な夢から醒めると自分がベッドで巨大な板チョコに変わっていることに気づいた。鎧のように固い背中、凹凸のついた褐色の腹、腹の上には幾本かの筋が見えた。ミレナはひどく苦労して立ち上がった。いちおう、手足は…
私の書いた図を消すな 女は何かを図解しているようだった。私的な象形文字で綴られた神話、あるいはラブストリーのようにも見えたが。それはまったくの勘違いなのかもしれなかった。ぶっちゃけ清々しいまでに訳が分からなかった、と言った方がたぶん正直だろ…
泡 樹海の奥に眠る深い洞窟だった。その奥底を見定めた者もいまだいないが、洞窟の湖は海にも繋がっているという話もあった。この洞窟には苔がむしていた。苔たちは反射する僅かな光だけで生きていた。この苔はこの洞窟だけに生息する、固有の孤立した種だっ…
豪華客船の船旅は──のんびり──遠く──ぼくなしの世界に思いをはせること──それはたぶん緩慢な死にも似た──夢?
……という夢をみた
濃度 夜明け。角笛が響き、また霧が出てきた。ひたすらに白く息苦しい世界だ。突き出した自分の手さえかすんで見える。屋上に出る扉を開き、ミルクのような白さの中を恐る恐る私は歩いていた。縁にたどりついたので靴を脱ぎ、ジャンプした。懸命に両手を広げ…