猛烈な勢いでメモ ダッシュ

推敲してます。漫画とか。俳句とか。

こんな話を考えた 「おなかのひと」

おなかのひと
 
ゆうべは眠れなかった。肩は重いし、頭はズキズキ、ぎゅっと布団にくるまっても誰かが話しているようだし、シネシネ団の行進の中にいるようだった。お腹をさわって気づいた。冷たいのだ。お腹の中に冷たいひとが居座っているようだった。コンコンとノックした。返事はなかった。ぼくは執拗にノックした。そして言った。──「もし、もーし!誰かいることは分かっています、けれどそこに居座られると、ぼくは眠れません、お互いに都合ってものはあるだろうけど、ぼくが死んだらあなただって居場所がなくなって困るでしょう?、なにより、ちょっとは悲しいでしょう?6時間だけ、いや3時間だけでもけっこうだ、散歩にでも行ってきてよ」──やっぱり返事はない。いよいよお腹は冷たくなり、こめかみのあたりがキリキリと痛んだ。