猛烈な勢いでメモ ダッシュ

短い話とか 俳句とか

春のフローリング

まだ暗い朝。目を覚ました。トイレに行きたくなって。床に足をつけ、気づいた。──冷たくない!──思えば長い冬でした。床は凍りつき、シベリアの原野もかくのごとし、という案配で足の裏に噛みついてきました。それで腹をすかした狼の遠吠えに怯えるように、足早に廊下を渡ってきたのだけれど。いまや、そのフローリングも雄牛踏む春のぬかるみ。──今年も生きのびました──って、小さなお婆さんがいいました。──春の朝もう冷たくない足のうら。