2013-05-13 亡霊のしっぽ 短い話 夜。布団の中でひとつの思いつきをした。これは少し新しいぞ、メモしとかなきゃ、と思いつつ眠てしまった。朝、起きて忘れている。でも、ひとつのアイディアを忘れているということは覚えていて、それがもどかしい。 亡霊はいまも、ふわふわ浮かんでる。ぼくの頭上、視界のすみに。その尻尾は見えるのだが、つかむことは出来ない。考えずただ感じて、さっと手をのばし。仮に捕まえられたとしても小咄がひとつ、出来るだけなのだ。まったく苛立たしい。